景禎 さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 2.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
新都電力台場原子力発電所
漫画のアニメ化作品です。東京都内の原子力発電所が大地震による緊急炉心冷却装置の故障のためのメルトダウンを起こした。遺伝子操作により放射能に耐性を持った人間が作られ、強力な放射能によりゴーストタウンと化した旧首都から生存者を救出する、というのが、本来のお話し。
2010秋にアニメ化が発表されたが、その後の東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故を受け、製作がのびのびになっていたようです。福島の事故が東京で発生していたら、この作品で表現されているのと近い状態に陥っていたであろうことは想像に難くないですが、それゆえに、この作品をアニメとして電波に乗せるためには、作品の表現をかなり骨抜きにしなければならなかったようです。その結果、作品中には、原子力発電所、メルトダウン、放射能汚染といった直接的な表現は出てこなくなっています。
いずれにせよ、この国のエネルギー政策や、原子力の安全性に関わる重要なメッセージを含んだ作品なので、たいへん期待していたのだが・・・・
まず、ヒロインの関西弁がヘタすぎ。第一話の冒頭なんか、聞くに堪えず、それを理由に「切り」か、と思うほどでした。これは決して声優の戸松さんのせいではなく、関西弁指導が悪すぎ。というか、指導無しだったのではないか? きょうび、関西弁は第二標準語ほどに一般化しているんやから、もうちょい上手な指導したらな声優可哀想やで、ほんま。
キャラデザや背景は独特の味があり、いいのですが、物語が進むにつれて、お話しを説明するためには明らかに場面が足らないやろ?的な箇所が目立ってきます。画面だけでは説明しきれない分部を、無理やり登場人物の台詞で説明させたり。アニメ製作の工程は詳しく知らないのですが、絵コンテとか原画のあたりのチェックが雑だった、ということなのでしょうか? 出来上がった作品として、なんだか素人っぽいものになってしまっていて非常に残念です。
その代わり(といっては何ですが)OPやEDは非常に良。曲自体も良く、歌もうまいのでベリーグッドです。とくにOPについては、歌い方のせいか歌詞がほとんど聞き取れないため、ネット上では様々な空耳歌詞が飛び交いました。中には抱腹絶倒ものもあり、とういう面で非常に楽しめました。