退会済のユーザー さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
一蓮托生
2011年にネットにて公開
2013年秋新作TVシリーズ開始
「長靴をはいた猫」の東映アニメーションのオリジナル作品
主題歌:「ココ」たむらぱん
かつていくつかの神々が混在し人と神との存在が曖昧だった頃…これはとある一家をめぐる愛と再生の物語(一話終盤のナレーションから)
あらすじ
明恵上人…彼が寺の襖に描く戯画が現実の物として動き出す。そんな事実に村人には物の怪と怖がられ都から山へ移り住む。
古都…明恵が襖に気まぐれで描いた都の神である黒兎
都を離れてもなお創作を続け、顔が好みであった明恵に恋焦がれる。古都の姿を見ていた仏眼仏母像(菩薩)が古都の愛情があれば明恵を救う事が出来ると自らの体を古都に貸す。
そして黒兎から人の姿になった古都は明恵に愛を訴える
古都と共に生活をするようになった明恵は更に襖に三人の子供を描く。おかしな一家ながらも幸せな日々を過ごす。しかし明恵を都から山に追いやった宮司は明恵を快く思わない。明恵の行動を阻害する。悩んだ明恵に古都が言った言葉。
「いっそあの襖に描かれた絵の世界にでもみんなで行ってしまいましょうか?」明恵一家はあいまいな理由で名前を決められた不思議の国「鏡都(キョウト)」へと向かう
新たに物の怪と人間が暮らす不思議の国で一家は暮らし初めたがある問題が浮き彫りになる。古都は仏眼仏母像から借りた体をまだ返しておらずこのままだと仏眼仏母の力で鏡都が現実のものとなってしまう。そして明恵と古都は三人の子供たちにいつ果たせぬかわからない約束をして別れを告げ…一家離散となる。
幻想的かつ空想的な世界の話なので、あらすじが長くなっちゃいましたが、主題は愛(家族愛)と再生(やりなおし)のシンプルなお話です。
兎と同じ名前を名乗る「コト」という少女の存在。
明恵と同じ名前を名乗る若い無気力な坊主。
明恵と古都と同じ名前を名乗る二人は一体何なのか
謎を残しストーリーが進行するので序盤は疑問だらけです。
序盤の謎など何処へやら…最後まで見れば誰でも見ればわかります。
幻想的過ぎる万華鏡の様な世界観でキャラの作画も統一感などありません。ファンタジーが嫌いない人にとっては肌に合わないものなんじゃないかと思います。(僕は元々こういう世界観のアニメは大好きですがw)
ただ謎が解消されると共に登場人物の心情が浮かび上がり、
思いやりを持つ経緯が解ると自然と瞼が涙で溢れていました。
じわじわ心揺さぶられます。
それにしても演者さんがすごいのなんのっつうの!
コトを演じる釘宮理恵さん。彼女の役柄ではあまり見たことのないちょっとやんちゃな少女の役です。
明恵を演じる石田彰さん。おっとりして拍子抜けする感じがする石田さんのハマリ役です。
薬師丸(大人)役のすずけんさん。唯一シリアスな心情を要求される役柄ながら素晴らしいです。
ひとつひとつの演技に家族を思いやる心がこもっています。
最後にコトの大好きなセリフを一つ。
「一緒にご飯食べたでしょ?夕陽見たでしょ?
こういうのが、愛だよ!」
普遍の愛を描く京騒戯画。見ておきましょう。