sherlock さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
一度きりの人生笑ったもん勝ち!!(*^▽^*)
(今回は矢三郎に化けてみました笑)
この物語は桓武天皇が王城の地を定めてより1200年、洛中が舞台となる
人間は街に暮らし、狸は地を這い、天狗は天空を飛行する
平安遷都この方続く人間と狸と天狗の三つ巴…
それがこの街の大きな車輪をぐるぐる廻している
今日京都には150万人の人間が暮らすというが
古より続く悠久の歴史や街を築いてきたのは人間ではなく
我々狸であると大法螺をふく狸がある…
一方で天界を住処とする我らを恐れ敬え…てな事を傲然と言ってのける天狗がいる…
私はいわゆる狸であるがただ一介の狸であることを潔しとせず
天狗に遠く憧れて人間を真似るのが大好きだ
人間の行事にどこまでも相乗りして遊ぶのは何だか妙に面白い
浮かれる人間どもに調子を合わせて私が浮かれるのは阿呆の血のしからしむるところであろう
狸は天下泰平を愛し、融通無碍に生き
奇々怪々な人間社会の仕組みなどは無用の長物である
狸は皆多かれ少なかれ阿呆なのである
しかしながら父亡き後
京都に住まう狸たちから我ら糺の森の兄弟は立派な父の血をひき損ねた阿呆たちと言われてきた
口さがない狸たちの陰口が正鵠を射ていることもたまにはあろう
だがしかし、父の血がどこやらへ雲散霧消したかのような言い草はいくらなんでも業腹だ
阿呆であることこそ我らが父の血を引いている証に他ならない
父は狸界の頂点を極めたのち阿呆が高じて鍋となったのである
金曜倶楽部の小さな鍋でさえ父は立派な最期を遂げた…それはもう器の大きな狸であった
阿呆高じて崇高となり、時に煮え立つ鉄鍋へ転げ落ちた気宇壮大な父を誰が恥じようか…
天狗が地上へ落ちることがあるように狸もまた人の手に落ち、鍋へ落ちることもあろう
たとえ涙が滲んでもなお誇るところに我ら兄弟の面目があると知れ…
桓武天皇より脈々と受け継いできた阿呆の血は如何ともし難く
天網恢恢疎にして漏らさず、太平の世を清く正しく生きる狸に天佑神助ありと心得る
何事によらず人生は時の運なのだ…首尾よくいくこと祈る他にすべきことはなし
如何に生くべきかと問われれば常に私は答える
洛中うごうごする狸たちよ!!一切の高望みを捨てよ!!
面白く生きる他に何もすべきことはない!!…と
従って我が日常は目まぐるしく退屈している暇がない
そうやって過ごしていると狸界の風潮なんて何とちっぽけなことだろうとさえ思えてくる
狸界における天下泰平とは
鴨川の土手に寝転んでポカンと青空を眺めていれば手に入る大変お手軽なはずのものである
一方で偽右衛門の生活とはもめ事があるたびに昼も夜もなく駆り出され
何くれと采配を振るわなければならない…
何事にも束縛されない自由気ままな狸の生活とを天秤にかけ
清く正しい狸たちは自問する
「偽右衛門という伝統的称号は確かに名誉だがしかし
安楽呑気な生活を捨ててまで拾う価値があるのか…」と
私の兄、下鴨矢一朗がそのような偽右衛門になりたいと強く願うのは
父から受け継いだ責任感と父への憧れからだろう…
肝心なところでいつも馬脚を現してしまう情けない長兄ではあるが
体で沸き返る阿呆の血を鎮め、日々心胆を煉っている豪儀な兄は私の誇りである
さて、物事にはつり合いというものがある…兄弟もまた同じなのである…
私のもう一人の兄、下鴨矢二郎は京都で一番やる気のない狸として有名を馳せ
呑気な性格を受け継いだ
誰からも尊敬の念を払われることなくだるまごっこにふけり、役立たずだと言われ
仕舞いにはかたのつけようのない恋に落ちてしまった
そして一切を飲み込み井戸の中の蛙となった
だが決して大海を知らないのではない…
全てを理解し自分の非を認め蔑ろに出来ないからこそ
あの世へ転居した父への謝罪の念を忘れず
一生背負う覚悟の表れとして井の中の蛙となったのである
そんな心優しい次兄もまた私の誇りである
あとは私の弟、矢四郎
矢四朗は父の純真さを受け継ぎ、天真爛漫で臆病な性格の母性本能をくすぐるような狸であり
阿呆ぶりを受け継ぎ犬も食わないような私が趣向を凝らして日がな一日便々と生きているのに対し
弟はへの役にも立たないような携帯の充電だけで褒められるとは…なんとまぁ…
わかっている、言ってみただけだ(笑)
他に登場するのは
てんでバラバラな兄弟をつなぎとめる海よりも深い愛を捧げてくれる母
雲煙過眼で一歩引いて万事を優しく見守っている母の愛は
我々の心の中で永遠に比類なき愛情と相成るだろう
また、母上は我ら兄弟が父の血を受け継ぐ立派な狸であると
毛ほども信じて疑わない偉大な狸であった
ちなみに母は大のビリヤード好きなのだが
女性がたまをつくとは想像するだけで何とも恐ろしい光景であるww
あと、かつては如意ヶ嶽を治めていた大天狗であったが
現在は酒好きなただのエロじじぃ…赤玉先生
【↑これを口にするのは甚だ不本意だったが
お上の命令とあって長い物に巻かれた私をどうかお許し願いたいww】
人間(鈴木聡美)を捨て、天狗よりも天狗らしい冷酷無惨で妖艶な女性となった…弁天様
私に対して「食べちゃいたいほど好きなのだから」
とおっしゃる冗談とは到底思えないような表情に昔日の面影はない…
ただ、時に人間らしさが垣間見えたこともある
弁天様が夜な夜な一人で泣いておられるのは
我らが父への惜別の情と後に残された我々への詫びの気持ちではないのだろうか…
四字熟語(笑)が大好きな金閣・銀閣、
私の許嫁であったにもかかわらず未だ一度も姿を目にしたことがない海星、
偽電気ブランを不正に横流ししている父の実弟夷川早雲などなど…
人物ならぬ狸物と互いに捲土重来を期しつつ
阿呆な争い事が絶えない日常は何とも滑稽愉快で癖になるであろう
それこそまさに貴殿にも流れる阿呆の血のしからしむるところなのだ
父上が最後に言い残した言葉…
『面白きことは良きことなり』には父から我々家族への想いと願いが込められている
生きていく限り「さよなら」という出来事と袂を分かつことはできないと頭では理解していても
我々のようなボヘミアン狸ですら本当の「さよなら」を飲み込むのに骨を折り
二度と戻ってこない生涯にただ一度の本当の「さよなら」に戸惑いを感じていた…
そんな時、父はやるべきことをやり終え残された天恵の日々を孔丘盗跖に全うした…
最後まで阿呆を貫き悔いのない人生であった…と
我ら家族が見習うべき立派な姿と共に伝え言い残したのが
この言葉…『面白きことは良きことなり』なのである
この想いに答え、我々も一度きりの人生…面白可笑しく行雲流水に生きようではないか!!
ただし、決してこの世の理を悟ったようなフリをし天狗になってはいけない
だって我々は生涯狸だもの!!
えぇ、以上でこの物語の解説を終えるが…
詭弁上等!!ご意見無用!!袋だぬき大歓迎!!ww
さて、ここからは皆さんが気になったであろう謎をまとめて解き明かしていこう!!
◦アロハシャツの八坂さんとは一体何者か?
◦谷崎潤一郎とは一体何者か?
◦岩屋山天狗と鞍馬天狗の関わりとは?
◦へそ石様は現在何歳か?
◦如意ヶ嶽薬師坊と愛宕山太郎坊との関係性は?
◦父上が弁天様の前で化けの皮が剥がれる理由とは?
◦母上が雷神様の前で化けの皮が剥がれる理由とは?
◦魔王杉の事件とは?
◦海星はなぜ私の前に姿を現さないのか?
◦納涼船“満腹丸”に昔一体何が起きたのか?
◦矢四朗が偽電気ブラン工場で働くことになった経緯とは?
◦長老様の御前会議に天狗が立ち会わなければならない理由とは?
◦なぜ竹林亭から偽叡山電車の中に吸い込まれた(?)のか?
◦金曜倶楽部の寿老人が袖から紐を出して自在に操っていたがあれは操作系?それとも具現化系?w
その答えは全て以下に記す!!
{netabare}知らない方が良いこともある
知らなければならないことはいずれ知ることになる…
(すみません、原作を読んでいないのでさっぱりわかりませんww){/netabare}
は~い、ということでこのアニメは
現代の多くの人間のように生真面目に悩み続けストレスを抱えながら生きていくか
将又阿呆に生きて万物を痛快だと思えるかという物事の捉え方の重要性を説き
家族のつながりや助け愛(合い)を感じるアニメなので
興味がある方はぜひ観てみてください!!(/ω\)
では、最後に私の方からちょっとした余興を…
これはとても初歩的な暗号です
ヒントは… {netabare}人間でも天狗でもない…ですねww{/netabare}
【あたたほうたのたたたち】
P.S.
弁天様の運命の人になりたいが
弁天様を惚れさせるにはお酒か狸になるしかないようだ…orz笑
あっ、そういえば今度のクリスマスプレゼントは
皆弁天様の天下無敵TシャツでOKですかね?ww