TEE-PURPLE さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

栗山未来という未来

京都アニメーションにて放送のライトノベル原作。眼鏡好きの主人公、神原秋人が呪われた一族の生き残りとされる少女、栗山未来と出会うことから始まる。
この世界には妖夢と呼ばれる異能の存在が無数に存在しており人間に害を及ぼしている。異界士と呼ばれる特殊な能力を持った人々を軸に話は進んで行く、ファンタジーバトル物である。
人間と妖夢、そして大地主の名瀬家…それぞれが明かされていくことで、境界の彼方は展開していく。

戦闘描写はやはり京アニだけにすごいです。迫力が。
物語自体は、前半訳わからなくてつまんないと感じるかもですが、そこで諦めるか見続けるかで大きく感想が分かれると思います。
「不愉快です。」と色んな意味で思うことになります。

考察&感想{netabare}

感動的でかなりよかった。境界の彼方…作中では人間と妖夢の境を表しておりその先を示すもの(未来)となっていると考える。
初めのつまらなさは伏線だったと知った時、この作品の面白さが理解できた。栗山未来の何度も秋人を殺そうとしたこと、関わりを拒絶していたこと、優しくされることを嫌っていたこと、全てが二人が会う前から決まっていたんだ。呪われている血を持ったことで、後悔し絶望していた栗山未来はこの「境界の彼方」を倒すことで何か変われるんじゃないかと…変わるんじゃないかと思っていた。しかし実際に会い、ぶつかり、会話し、関係することで彼女自身も変わりたいと望んでいた。過去はやり直せないけどそれも含め望んでいた。そして彼女は不器用だが、秋人の輪の中へ入ることができた。…。

しかし、現実は残酷だ。人間の秋人は栗山未来は認めた。しかし妖夢(境界の彼方)は違った。やはり危険な存在だった。それが暴走することでやっと近づいたものが離れていくことになる。そこからが本番である。また孤独になってしまう彼女は拒否するが、妖夢の存在はやはり邪魔な存在であると認識されている。自分の私情で悩む中、遂に凪がくる…。

凪により弱ったとはいえ、境界の彼方はやはり恐ろしい存在である。彼女は悩んだ。悩んだ。今までの大切な日々を守りたい。しかし、秋人への気持ちに気づいた。悩んだ。悩んだ。結果…

「自分自身が犠牲になることで、みんな救われる。もちろん秋人も。大事にしたいその人を救いたい。」
そして栗山未来は消える。

秋人は自分の気持ちに気づいていたが、それが届く前に彼女が消えてしまった。自分のせいだ。責めた。だが、家族・友人に支えられ彼は決心する。
「彼女を救って、取り戻す」
そうだ。何を勝手に消えて俺の前からいなくなろうとしてるんだ。探した。ひたすら走った。そして届いた。境界の彼方へ。そして彼は言う、

「ざまぁみろ」

ここからが、本番だ。妖夢は人の様々な負の感情がかたどって生まれたもの。自分のもそうだ秋人は思う。
ドス黒い嫉妬
決して人になれない絶望
見捨てられた悲しみ
誰かを傷つけた後悔
わがまま
猜疑心
憎悪
諦め
狡猾　etc.
全て背負って生きていくと決めた。半妖でありながらこれからも「人間」として生きていくことを決めた。境界の彼方はここに全て受け止めてやる。
そして、同時に栗山未来は消える…思い残すことはないと…消える。だが違う。きっと会えるさ。未来で。

そして何気ない日常が戻ってくる。ただひとり栗山未来の不在を除いては。秋人は歩く、放課後一人で、しかし指輪は消えた。もしや、屋上へ駆ける。そこで待っていた…。
俺の好きなメガネの似合う美少女が、そう栗山未来。ここから大変だろうが、楽しい未来が待っているだろう…。この少女と一緒なら…。


といった感じで長いですが考察とさせていただきます。
ここからは単純な感想ですが、とりあえず思ったことは
戦闘中よく眼鏡落ちないですよね～w どんな構造してるんだろうか？これは突っ込んじゃいけないとこなのかな？w
秋人が眼鏡眼鏡言ってるので、私も少し眼鏡に目覚めてきたかもです。う～んインテリっぽくていいね！

「不愉快です」は流行ると良いですね♪　この作品知らずにいきなり言われたら結構ダメージでかいですが…そこが怖いところ。
キャラもみんな可愛くて作画が綺麗なので満足です。
OP/ED共によかったです。EDは最終話だけで流してもとてもよかったと思います。作中で中盤の「約束の絆」も普通にいい曲でした～♪みんな歌上手い！

はい。私の中では京アニですが、期待していなくダークホースでしたが、期待以上でかなり満足です。最後まで観てやっと感想が言える物語だと…。面白かったです。この作品を気に入ってくれる人が増えることを願います。


～ {/netabare}