かげきよ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
海と陸とにそよぐ風
海で生きる中学生と陸で生きる中学生との交流や思春期ならではの感性や恋愛を描いた物語。
少し線が青いな…なんて思っていたら実は海の中での生活風景。
事前知識ゼロでしたのでなるほどと感心させられ、上手く惹きつけてくれました。
設定に関しては頭を柔らかくしないと付いていけないです。
何故呼吸が出来て音が伝わるのかとか、水の抵抗も無いようで有ったりetc…。
論理的に抵抗してもキリがないのでそういう世界を素直に受け止める必要があります。
作画は滑らかでちょっとした動きにひと工夫があり繊細。
ストーリーも今後、思春期の子供たちの小さな心の動きから段々と大きな波やうねりに
なって行きそうで楽しみでもあり心配でもあります。
オフネヒキも伏線ぽいのでどう絡んでくるのか興味が湧きます。
…膝のお魚もどうなっちゃうんだろ!?(^◇^;)
なかなか良い掴みだったと思います。楽しんで観られそうな予感がします。
【総評】
陸と海で暮らす中学生の青春群像劇という独自の設定を良く活かしていますし
彼らの愚直な行動の行く先が気になりついつい後を引く作品でした。
序盤は美しくほのぼのとしつつも海と陸との人々の壁を感じさせる世界観を紹介し
中盤には人々が融和に向かいつつもこの世界のミステリーが絡み常に不安を感じさせる中で
急展開を迎えることになります。
後半はかなり恋愛に舵を切り、時間のズレや変化を巧みに扱った想いのやり取りや行き違いが
もどかしくも切なさ悲しさ優しさ喜び等心の有り様をじんわりと感じさせてくれました。
作画同様にシナリオとしても全体を通して非常に綺麗に纏まっていました。
観終わってみればアリだったかと納得は行きましたが
途中どうしても増長に感じてしまったのも事実で
もう少しテンポやメリハリに注文がなきにしもあらず。
この辺りは後半への展開の好みで変わってきそうですが個人的には恋愛要素へ傾き過ぎて
スケールが小さくなり少々飽きが出てしまった様です。
作画は本当に美しく申し分のない出来で世界観を十二分に引き立ててくれていました。
見た目も内容も綺麗に纏まっていますので十分オススメできる作品です。
特に恋愛ものや心の機微を感じられる作品が好きな方は楽しめると思います。
ただし綺麗に纏まっている分、私の様にミステリーや変化(個人ではなく世界の変化)を
求めてしまう人には少し物足りなく感じてしまうかも知れません。