景禎 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
革命は毎日のようにここでおこすと決意しました!
ラノベ原作のアニメ化作品です。導入ががちの戦闘シーンから入るとことか、物語の設定が魔王と勇者なので「はたらく魔王さま」に似ているか?と思いがちですが、内容はまったく異なります。
ジャンルは一応ファンタジーと思われますが、かなり変則パターンで、ギャグ要素満載。見始めてすぐ分かることですが、おっぱいが揺れる、パンツが見える、服が破れる、というエロ描写が多発し、一見すると典型的なおっぱいパンチラアニメ。特におっぱいの揺れにはこだわりがあるようで、巨乳から貧乳まで揺れ方の描写は半端ないです。本物より本物っぽいです。
しかし、ここまでこだわるとエロというよりはギャグですね。つまりは、エロアニメの典型的な表現手法をわざと多用しデフォルメすることにより、ギャグ的効果を狙ったものかもです。揺れるときに音までするし。誰か暇なヤツ、何回ゆれたか数えとけ。
物語の内容は、勇者を目指して日々訓練していた主人公ラウルが、もう少しで勇者になれるというところで魔王が倒され、勇者制度がなくなってしまい、しぶしぶマジックショップ(現実世界の家電量販店に相当する業態)の店員として就職、さらにそこへ倒された魔王の娘フィノがバイトで入ってきて、いろいろやらかします的なお話しです。
基本は気軽に見られるギャグアニメですが、よく見るとかなり深い内容も垣間見えてきます。まず最初に見えるのは、業界内のシェア争いの生々しさ。ラウルやフィノが就職したレオン(エディオンがモデル?)と、業界最大手のアマダ・マジック(ヤマダ電機だろ、これは。)の間の確執。
その背景には、手段が目的にすり替わる現実の構図。本来、世界に平和をもたらすことが目的であったはずが、長期にわたりその体制が続いていると、いつの間にか手段であったはずの勇者制度や武器、防具の商売が目的化してしまう。このような構造は世界全体から小さな田舎町まで、現実世界ではどこにでも見ることができる「おとな?の」構造ですね。
そんな中で目指すべき本当の勇者(若者)の姿とは何か?という、とっても深くて本質的な内容がチラチラ見えたりします。しかし全体の雰囲気は重くならず、あくまで明るく前向きに気軽にがんばろう的な、見終わったあと、ちょっとした清涼感を味わわせてくれる良作品です。
それと、ZAQのOP、いいですね。