takarock さんの感想・評価
2.8
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
「クズのいる町」になってしまった理由を考える。
「クズのいる町」、「クズとビッチのいる町」
ネット上でこんな風に揶揄されてるのを何度か見ました。
原作を読んでいる一読者としては非常に悲しいのですが、
どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?
その理由をちょっと考えてみたいと思います。
まずこの作品は少年マガジンで連載されており、
現在時点で24巻まで発売されています。
作者の瀬尾先生は前作「涼風」ではまさに王道ラブコメを
描いていたのですが、その王道展開に飽きてしまったのか
この作品では、邪道というと語弊があるのかもしれませんが、
読者の斜め上をいく展開(いうなれば変化球)を
多用している印象です。
王道というのは多くの説明を要さなくても共感を得られるのに対して、
邪道はその背景、キャラの心情や場面等丁寧に描かなければ
共感を得られないものだと思います。
このアニメにそれらの描写がまったくなかったとは言いませんが、原作のボリュームに対して尺が足りてないので
視聴者を納得させるような説得力がまるでありません。
説明不足、共感を得られぬままポンポンと展開が
進んでいくので視聴者には
「なんだこいつら」といった悪印象だけが募っていったと思います。
主人公の桐島青大やヒロインの枝葉柚希は決して皆から好かれるキャラではありませんが、ここまで総スカン状態になったのは説明不足、描写不足が大きな要因になっていると思います。
原作から切り離してB級ドロドロラブコメとして観れば
そこそこ楽しめますが、正直後味はあまりよくないです。
アニメ化がまったく原作のプロモート機能を発揮していないどころか、むしろマイナスイメージがついてしまっています。
瀬尾先生には同情を禁じえません。