ちゃんもり さんの感想・評価

3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態：観終わった

そんな言うほど・・・。

アニメファンの間では、この作品を観てはいないまでも
名前を知らない人は少ないであろう、涼宮ハルヒ。

映画化されたときはけっこう話題にもなりましたし、
世間的なイメージは「ハルヒ知ってる＝アニヲタ」みたいな
偏見に繋がっていたような気もします。

個人的には惹かれるタイプの作品ではなかったのですが、
そんな有名作品なのでまぁ一見の価値はあるだろう、と
視聴してみました。

一言で感想を述べるならば、「素材良し、味付けなし」と
いうところでしょうか。作品のテーマ性やキャラ設定は
なかなかおもしろい・・・というか、

「無自覚に世界を改変させ得るデンジャラスヒロイン」
「彼女の異能に自分たちの進化のヒントを探る宇宙娘」
「彼女の異能の影響から未来を守ろうとするドジっ子」
「彼女の異能による改変から世界を守るエスパーイケメン」
「彼女に選ばれし偉大なるパンピー主人公」

と、これだけオイシイ設定揃ってたらいくらでも話を
おもしろくできたと思うんですが・・・。
前半は各キャラの長所を生かして良い感じにわちゃわちゃ
やってて面白かったです。あそこからそれぞれの組織の
バックボーンとかも出てきて話が広がっていってれば
良かったんですが、せっかくの設定を生かす気があるのか
ないのか、後半はただただハルヒの自己中にみんなで
振り回されるだけ。

特にひどいと感じたのは「エンドレスエイト」と「退屈」。

前者に関してはこの設定にさらに「ループもの」という
最強の武器を持たせてこれですか・・・
ループものの醍醐味というのは、繰り返される「時間の檻」
からいかにして脱出し未来を勝ち取るか、ということです。
ただ一人、全てのループを記憶し続けるユキの孤独を
視聴者にも分かってほしい、にしても、それならばもっと
その孤独を黙々と観察し続けるユキの描写を入れるべき。
しかも抜け出すカギがあれって・・・結局ユキの孤独が
報われる描写も特になく、何のために８回も繰り返し観た
のかさっぱり分かりません。

後者はもぉーこんなにアニメ観ててイライラしたのは久々
ですｗある意味、ハルヒのキャラ設定上しかたないのかも
しれませんが、自分があの場にいたらキョンがキレる
１２回ほど前のタイミングでブチギレる自信があるｗ

みくるがどんだけひどい目に合っててもただただ
みんなして（友達のつるやさんまで）傍観してるだけ・・・
しかも終わったら何事もなかったかのようにみんな
部室に居るし、もうなんかそういうのが自分としては
すっっっっっごい気持ち悪かったんですよ(;>Д<)

まぁ結局ＳＯＳ団の面々は表面上仲良くしつつも
それぞれの思惑を胸に秘めた上であそこに居るわけで、
実際には友達でも何でもない。
仲良し学園生活なエピソード作りたいならこういう
キャラ設定にすべきではないし、設定を生かしたいなら
生かす方向に話を振るべき。

中途半端に両方やって後味悪くなってる悪例です。

残念ながら話題先行な作品ですね～