gkc さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
阿呆高じて崇高となる
非常にいい作品でした。
この作品にまさかこんなに感動させてもらえるとは思いませんでした。
中盤からが特によかったです。
狸と天狗と人間が共存するという社会を面白おかしく表現されています。
京都を舞台にしていまして現代の京都の町並みの絵は抜群。
全体的に明るい雰囲気の作品でパロディの部類に入ると思うのですが、前半は少し距離を置いてみていたような気がしますが、ほのぼのしていて癒されますし、
「人間の真似をするのがイキだ」とか「狸にしておくにはおしい狸だ」とか、面白いセリフに笑いが漏れていました。
そして、題名にもあるように家族の絆、愛情などの重要性は作中、メインのように表現されていましたが、同時に、
「死」と「別れ」も表現されており、それらの対照的な面が
より言葉に重みを持たせたと思います。
中盤以降の父狸が中心になっていたあたり、よかったなー。
ホロっときました。
で、しびれましたのは、最終局面の方で、家族(狸たち)の危機を救うために子狸(弟狸)が駆け出す場面があるのですが、その時のナレーションが良かったです。
阿呆高じて崇高となる。我らはそれを誇りとする。
時に人間をばかし、時に天狗を落とし入れ、時に煮え立つ鉄鍋へ転げ落ちてきた。
これは恥じるべき事ではなく、誇るべきことである。
たとえ涙がにじんでもそれでも尚、誇るところに、われら兄弟の面目があると知れ。
かっこいいーwww
とても感動しました。
武士は食わねど高楊枝みたいに聞こえました。
狸には狸の生き方、生き様があると。
それを代々受け継いできた。
と言うわけです。
泣かせる。
どんな生き方になろうと、大事なものを守り、たとえ途中で倒れても残された者が受け継ぎまた、守っていくと・・・。
パロディとはいえ確かに崇高で子孫繁栄のような意味も感じました。
最終回も良い終わり方でした。