遥か彼方 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
最近知り合ったばかりなのにもう何年も一緒にいた気がする友人、そんな出逢いをした気分
衝撃の出逢いはまず一話の
{netabare}
「綺羅星!」
「銀河美少年!」
{/netabare}
で引いたと言うか「この作品、大丈夫か・・・!?」と色んな意味で度肝を抜かされ驚愕(心配?)した視聴者は少なくないだろう。勿論自分もその一人だった。強烈な個性のキャラ多数。真面目に主役も敵も{netabare}「銀河美少年!」{/netabare}と名乗り「そうなのかあああああ!」と叫ぶ。
某実況wwwの嵐。まあこの時点で「馬鹿馬鹿しい」と切った視聴者も少なくは無さそうだが(だがこの感想がまさかあんな所で活きて来るとは!)
二話、三話と視聴を進める内にシリアスな謎や考察用の伏線が出てくる。そして回を重ねる毎に馬鹿馬鹿しい台詞や雰囲気にも慣れて?来て、気付いたらそれがちゃっかり挨拶になっていたりする。
あるキャラの回なんか涙無しでは観れない、感動的な展開も見せてくる。
実況で多分一番予想されていたのが主人公がいつ敗北するか、だろう。通常のロボものと違い主人公は決して敗北をしない。
ラスボスである彼が{netabare}「間もなく銀河美少年は負ける」{/netabare}とスガタに宣言した時の実況の盛り上がりと言ったらwそして彼の予想は見事的中した。思いも寄らぬ大爆笑&大失笑の形で。
敗北はしない、と言っても常に簡単に勝利する訳ではない。実際ラスボスに霰もない姿まで追い詰められたし、かなり彼一人では危険だった事も何度か有る。だからこそ、今日は負けるかも!と言う期待を持たずにはいられない視聴者が多かったのかも知れない。
確かにバトルものに挫折はキャラを成長させるのに必要なスパイスだと思う。バトルで完全なる挫折は味わう事がなくても、青春の波にのまれ悩み時には父に八つ当たり(私はそう思っているw)する(あのシーンが実は一番好きだったりする。いつも明るく朗らかで誰にでも笑顔のタクトが唯一バトル以外の日常で持て余した静かな怒りを行動で表す。父としてか、敵としてかどちらも含んでいるからか解らないが、それまで喜哀楽(スガタとはぶつかり合った事は有るが、あれはスガタの持て余している感情を表に出させ彼を楽にさせる為だと感じている)しか見せなかった彼が、初めて自分自身の事で怒の感情を露わにした。それがとても人間的で一気にタクトに親近感が湧いた。
そして最終回 {netabare}「何が綺羅星だよ、馬鹿馬鹿しい」{/netabare}超名言(迷言)を残した彼。それに怒りを覚え覚醒する敵達がタクトに加勢するシーンは胸が熱くなる!そして最後まで夢しか見れない憐れな父に最後の思いを込めた一発をくらわせる息子。
ヒロインであるワコのモノローグには驚かされたが、この作品ならま、いっか。と思わせてしまう。
そして最終回の次の週、いつもの実況版には人が集まっていた。「何か寂しい」「つい放送有ると思って来てみた」
そう言う書き込みを見て、私はいつの間にこの作品がどれだけ愛されていたか、皆の身近にあったかを初めて感じた。
最初にとんでもない一面を見せ、謎めいていて、シリアスな所にも惹かれ、たまに涙も見せる。そして凄く熱いヤツ。
知り合ったばかりなのに、何だかずっと前から長所も短所も知っていて傍にいた感覚になる、私に取ってこの作品はそんな友人の様な存在だ。