にゃっき♪ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
suddenly there's a school of despair
希望ヶ峰学園に閉じこめられた、超高校級の能力や才能を持った15人のメンバーによる、ゲーム原作のバトルロワイヤル作品です。
この状況から抜け出すには、誰かを殺すだけではなく、自分が犯人であることを他のメンバーに悟られずに学級裁判を乗り切らなければ、学園長を名乗るモノクマによる「お仕置き」という名の公開処刑で、自分も殺されてしまいます。生き残っているメンバーは、殺人事件が起こる度に捜査をして、学級裁判で真犯人を当てられなければ、犯人以外の全員がお仕置きを受けることになりますが、人数が少なくなると設定そのものが厳しくなりますね。殺人と公開処刑を次々と見せられますので、受けつけない方もおられると思いますが、特に抵抗がなければ先が気になる作品で、あっという間に完走出来るでしょう。
人数が多く個々のキャラを覚えきれないうちに殺人事件が始まり、殺人犯と被害者が毎週のように退場していく、テンポが早い作品で、トリックや犯人を知っている人が、ゲームをプレイしているのを傍らで眺めているような感覚でした。捜査はあっという間で、ヒントを小出しにするような、視聴者にトリックを推理してもらうような構成ではないですし、キャラクターについても何が取り柄であるか以外は、どんな人物なのかほとんど描かれていません。映像に凝っている「お仕置き」など、ゲームの演出ならわかりますが、アニメ作品としては悪趣味に思えますし、個々の能力がどのように物語に生かされるのかを期待しても、ほとんど空振りに終わります。
ゲーム原作のアニメでは、エロゲ原作では分岐の扱い方が難しく、お気に入りのキャラがいて、アニメが自分にとって望ましいエンディングでなければ、原作をプレイしてみたくなる場合も多いかもしれませんが、この作品ではアニメから入ってしまうと推理を楽しめませんから、販促に貢献出来たかどうかは微妙な気もします。
しかし、原作に縛られる状況で、中途半端に改変するより忠実に再現する方向で、ネタバレで推理は楽しめなくてもゲーム版にも興味が湧くような構成になっていたように感じます。学級裁判において相手の証言を言葉の弾丸で打ち砕くなど、アニメよりゲームに向いていることを感じさせてくれる演出が多く、ゲームシステムだけでも楽しめそうに思えるのです。まっさらな状態から始められないのは残念ですが、アニメの内容を忘れた頃にでもゲーム版をプレイしてみたくなりました。