「STEINS;GATE [シュタインズ・ゲート](TVアニメ動画)」

総合得点
92.6
感想・評価
16722
棚に入れた
50965
ランキング
18
ネタバレ

遥か彼方 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

オカリンと言うただの一人の人間(だがリーディングシュタイナー持ちだ!)

少し前「こいつのせいでこうなった」と言うアニメランキングに岡部倫太郎がエントリーされているのを見た。私も入るだろうと予想していて、やはりちゃっかり入っていた。
よくよく考えると彼がラボメン達が懸命に止めるのにも持ち前の好奇心で突っ走り、パンドラの箱を開けてしまった結果全てが狂った。彼の身勝手さが数々の悲劇を生み、だが仲間達に数々の儚い夢を見せ、命懸けで世界を救う結果になった。
リーディングシュタイナーと言う特殊な能力は持つものの、彼は実験大好き好奇心旺盛で仲間を大切にする心優しきただの人間。
突然の萌郁の襲撃にリアルに戦う術など知らないし怯えるしかない。突然の仲間の死に恐怖し嘆き悲しみ何とか生きる世界線を見つけられる様に足掻くしかない。
「俺が迂闊な事をしなければ・・・」と何度も後悔し、世界線を変え願いが叶って喜んでいる仲間達に「この世界を無かった事にして欲しい」と頭を下げ、本当は傷付けたくない仲間の悲しみを何度も受け止めながら、大切な人を守る、助ける為に最終的には命懸けの事態までに陥りそしてそれを選択する。
これはパラレルワールドも世界の危機も巻き込んだ、壮大な岡部倫太郎と言う一人のただの人間の「贖罪」の物語なんじゃないかと言う見方も出来ると感じた。
いけないと思いつつ「つい」手をだしてしまう事、人間にはよくある。駄目だと言われれば余計にそうしたくなる、良いか悪いかは別として、非常に人間らしい感情だと思う。
オカリンもまさしくそう言う人間の一人だった。ただ彼の場合犠牲が大きすぎるもので、それを償うのに彼自身心身含め全存在をかけないと償えないものだった。そして彼は見事に償った。彼としては大切な人を救いたい一心だっただろう。そのエゴもまた人間らしいと思う。
彼は決して勇者でも救世主でも何でも無い。
優しさ故すぐに傷付き、一人では何も出来ないただの一人の人間。そう思うと一層親近感が湧き彼が好きになった。
既に「贖罪」と言う考えに至っている人は山程居そうだし、今更気付いたのか、と思われそうだが改めて岡部倫太郎と言うキャラを見直す機会に恵まれたので書いてみました。

投稿 : 2013/11/06
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サンキュー:

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