ぱるうらら さんの感想・評価
4.4
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『癒される』だけではないのデース。
『きんいろモザイク』は漫画原作、1クール(全12話)学園・ほのぼのショートコメディアニメです。
ひだまりスケッチとどこか似た雰囲気を醸していたこの作品。どちらもほのぼのとした日常を描いたショートコメディを基本としているが、どちらかと言えばひだまりスケッチの方が【ほのぼの・日常】寄りで、きんモザはアドリブや声優の技量を駆使した【コメディ】寄り。話のテンポも、コメディ寄りのきんモザの方が一枚上手。
この作品の第一印象は、とにかくキャラが皆可愛いだけと言うモノだったが、その予想に反してコメディが面白かった。そしてそのコメディの内容というのが、イギリス側と日本側の文化のギャップや誤った見解というもので、このネタが結構面白い。それは4コマ漫画のオチに於いてギャグが使われるような軽さであり、ポンポンとギャグが投下されるので大変リズム良く感じる。また、基本的にはボケ役とツッコミ役は決まっているが、状況に応じては誰もがボケもツッコミもするというの点も新鮮で良かった。
後はやはり声優の技量も面白さの所以の一つであっただろうか。(この点はこのアニメのキャラデザ有ってこその物かも知れないが。) ショートコメディだけに、かなりの速さでコロコロと場面が変わるが、しっかりとそれに応じて抑揚を付けていて、そしてブレが無い。こういうのを観ていると、日常系アニメの会話を演じるのは意外と難しいのではないかとも思う。また、金髪サイドは英語と日本語を使い分けたり、言葉の抑揚やアドリブが上手かった。中でも"カレン"は英語と片言の日本語を話し、『○○デース!』という語尾や不思議なイントネーション等を使っていたため、一番個性の強いキャラで印象深い。そしてそれを演じる東山サンの技量も凄い。しかし、彼女(カレン)はメインキャラの割りに登場回数が他のメンバーと比べて少なかったり、あのノリの良さのせいで少し浮いていたりと少々残念な所もあった。その強烈な個性が使い辛さの原因だったのかもしれない。
他には場面の切り替えの仕方も良かった。これは最近に良く見られる、登場人物が何かを話していたり叫んでいる最中に次の場面に変えたりする事を指すが、この切り替えがこの作品はとても上手。
最終話はEDテロップが開始9分で流れ始めるわ、いつもと全然違うノリの話だわで賛否両論になりそうな回だったが、登場人物を一挙集結させる意味でも良くできた、個人的には好きな感じの回だった。
コメディの意味でも日常の意味でも、かなり完成度の高い、面白い作品だったと感じる。