三崎鳴 さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.0
作画 : 2.0
声優 : 4.0
音楽 : 2.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
完全なる原作劣化
スパイク・チュンソフト制作ゲーム『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』を原作としたアニメーション作品。あらすじは以下の通り(wikipediaより引用)。
どこにでもいそうな平凡な少年・苗木誠は、「超高校級の才能」を持つ現役高校生しか入学出来ない羨望の象徴「希望ヶ峰学園」に「超高校級の幸運」として抽選で選ばれたことを機に、「卒業すれば人生の成功が約束される」というこの学園に入学することになる。迎えた入学式の日、意気揚々と希望ヶ峰学園の中へ入っていこうとする苗木だったが、玄関ホールに入ったところで急激なめまいに襲われ意識を失ってしまう。苗木が目を覚ますと、そこは既に学園校舎の教室内であった。しかし違和感はそれだけに留まらず、校舎の窓は鉄板で塞がれ監視カメラとテレビモニターが至るところに設置されて圧迫感に満ちており、校舎全体からも異様な雰囲気が漂っていた――
内容は密室空間でのサバイバル系。ゲームを原作としたアニメの限界を痛感する作品。ゲーム原作でも人気のある作品はあるが本作の場合はそれが裏目に出たとしか言い様が無い。作画も演出も原作からそのまま引用し,脚本の大きなオリジナル改変も無い。原作に忠実と言えば聞こえはいいが,実際は原作のダイジェスト版みたいなものであり尺の影響で展開は駆け足,大事なパートも端折っており,推理型の作品であるにも関わらず視聴者に与えられる情報は無い。果たしてこれをアニメ版として作り直す意味はあったのか,と疑問が浮かぶほど未プレイ者に厳しい作り。肝心の脚本のほうは「密閉空間からの脱出においてのサバイバル,閉じ込められたのは色の濃いキャラばかり」と設定こそ魅力的なもののそこを活かせていないのが率直な感想。登場キャラクター自体はどれも色が濃く登場人数の多さを気にさせない。又、人狼ゲームを彷彿とさせる様な『学級裁判』も斬新な切り口の発想だ。但し,心理描写も乏しく緊張感にも欠け,サイコポップな雰囲気は出ているもののどうもミスマッチなのではないか。原作は売り上げ24万本,続編も出ており一定の人気のある作品なので興味があれば原作のプレイを勧めたい。