ソルバルー さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
おもしろい!!!
主人公『黒木智子』は自らが『喪女』(モテない女子)ではないと言い聞かせ、中学時代に過ごしたうす暗い青春からの脱却を目指し、新たな高校生活に胸を躍らせるのだが…
{netabare} やっぱモテないし、誰ともお話すらできないし、兎に角いろいろな事で悲惨な事ばかり {/netabare}
実に笑えます。久しぶりに心底笑えたアニメが来ましたね!
もう主人公がいろいろ悲惨で、可哀そうなんだけれど滑稽であり、「気持ちは解らないでもないけれど、自分が悪いんじゃね?」って事が凝縮されています。
もはやムゴいってくらいに嫌な事が多くてイライラしている主人公ですが、取り巻く環境はごく普通にリアリティのあるもので、話によっては最後にささやかな幸せなんかも訪れたりするので、全く救いがないというわけではなく、観ているこっちもちょっとばかりジーンとくる事もありました。
さあキャラクターですが、主人公がズバ抜けてイイ味を出しています。インターネットばかりで急速に大量の情報を得た人間特有の偏った人格を持っている為、究極に卑屈であり、心の中では異常に世間を罵っているヲタクなのですが、俗世間への憧れはいっぱしの思春期女子高生っぽかったり。もはや対人恐怖症として医師の診断を受けろと言いたくなるほどイタイタしかったりもしますが、その事で悩む処などは現実的ですらあります。
中高生時代にクラスに居たこういう手合いの女子って内面ではこんな過激な事を想像していたのだろうかねぇ?
オマージュ的に他のアニメや『ニコニコ動画』なんかを多々引用しており、その中に個人的にも好きな物が多かったです。まぁ、作家さんが好きなだけなんでしょうが、観ている時には「自分の感性がコイツと近いのか…」と、うれし楽しい反面、複雑な気分にもなって、はっと気づいてみれば感情移入しながら観れていたなぁと思います。
これまでに「残念系」って触れ込みはいくつかあり、その代表格にやはり『隣人部』の面々を描いた『はがない』がありますが、あんなのは全く以て残念でもなんでもなく、むしろ羨ましいわっ!っとなります。この作品こそが自分の中では真の「残念系」だと思います。
声優さんや作画に関しても作品にとてもマッチしていて良かったです。主人公の声優さんは最初似合っていない気がしていたのですが、慣れてしまうと、最早この声優さん以外考えられないという錯覚に陥ります。
ぃゃ~これは楽しかったです。思わずマンガも読んでしまいましたが、これはマンガを封印しておいて、2期が来るのを待ちたいですねぇ。
実際に暗~い青春時代を過ごした方が観たら辛かった思い出などを重ねてしまうシーンもあるかもしれないので、そういう方にはもしかしたら注意が必要かも!?