Lovin さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
見た感じ
■概要
TV放送を視聴。原案となったライトノベルは未読。泳ぐ話。
小学生時代に同じスイミングスクールに通っていた仲の良い4人は、メドレーリレーで大会に参加する。小学校卒業と共に4人のうちの1人が、父親が成し得なかった夢を追うように旅立つ。
視聴前の期待度は3段階で★★と普通。京アニと聞いて無条件で期待するのは良くないと思ったが、やはりそこは期待せずには居られなかった。
本作品は内海紘子監督×京都アニメーション制作×横谷昌宏脚本で、1クール12話で構成されている。
OPはOLDCODEXが歌唱を担当したロック調の曲で、激しく競い合う雰囲気には合っている気がする。
EDは主要声優陣が組むSTYLE FIVEが歌唱を担当したポップ調の曲で、イントロからキャラが踊っており腐女子には人気があるような気がする。
■主な登場人物
主人公
鯖が好きで無口な少年。自由形担当。
部長
面倒見の良い纏め役。背泳ぎ担当。
お調子者
ムードメーカーだが良く喋る。平泳ぎ担当。
理論派
美を追求し何事も理論から入る。バタフライ担当。
ギザギザ歯
強豪校で皆の前に立ちふさがる。元バタフライ担当。
■感想
作品を全編を通した感想は、予想以上に面白かったが、それ以上は盛り上がらなかった印象だ。
監督、制作、脚本がそろっているのに何故ネガティブな印象しか残らなかったのか不思議な作品だった。第一話は確かにこれから盛り上がりそうな、何かを期待させるような雰囲気が出ていた。しかし終わってみれば、物語に起伏が無かったと言えばよいのか、登場人物の行動に対する対価が余りにも小さく曖昧なものでしかなかった残念さが問題なのか。
まずこれから始めようとしている事柄は、地盤となるものが無い状態からスタートするので苦労するであろうことは予想も理解もできる。でもそれが大きな壁です、と言う描き方をされても前出のように予想の範囲内だ。大きな壁の前には小さな壁がいくつもあってこそ、乗り越えたときの共感が得られるのではないかと思うが、そこが余り感じられなかった。
ギザギザ歯は必要以上に悪役として描かれたと思うが、そこまでして掴んだものが最終話のあの試合をさせた動悸だったのは驚きを隠せない。しかも付き合いの浅い理論派は結構直ぐに理解できたのに、他の登場人物は誰一人として三年間気付くことすらできなかった。男の子なら仲間内でそんな話をして盛り上がるのが普通だろうと思うのに、誰も口にしなかったのは何故なのか疑問が残る。
あと登場人物が男子だったからかもしれないが名前が覚えられなかった。唯一強風のようにゴウゴウゴウゴウ言っていた松岡江だけは覚えられたが、それ以外の登場人物は作中で呼び合う名前を聞く度に「誰だったかな?」と考え込んでしまい、話が進むと思い出すのを諦める、と言うことを最後まで繰り返してしまった。名前については特徴があり作中でも語られているというのに。
最終話が終わった時点で、腐女子かゲイの方向けの作品と言う評価になってしまったが、極一部は熱くなれる部分もあるので、覚悟のある方にお薦めする。
■作品の傾向
スポ根でもなくコメディーでもない、割と真面目に人間ドラマを描いた話なのでありそうでないのかもしれない。
水泳繋がりで選べばあえて「ケンコー全裸系水泳部 ウミショー」辺りを類似作品に挙げておきたい。
人間ドラマという繋がりなら脚本が同じになってしまうが「ラブライブ!」を類似作品として挙げておく。
■蛇足:{netabare}
ウミショーなんて懐かしい作品を出してしまったが、ケンコー全裸系水泳部って今見ても凄いタイトルだ。
{/netabare}