sherlock さんの感想・評価

4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

この世の全ての食材に感謝を込めて…いただきます!!

このアニメは一言でまとめてしまうと
エリートコースに挫折し大蝦夷農業高等学校へ逃げてきた
ハチケンという平凡な少年が今まで全く縁のなかった畜産で様々な経験を通して命と向き合い
学力が全てではないことを認識して新たな夢を見つけようと前向きに生きていく話である
しかし実際には、こんな一言で片づけてしまうのが勿体無いほど僕の心に深く響いた…

最初はハガレンの作者というだけで見始めて「日常系のほのぼのアニメか」という考えしかなかった
甘かった…
このアニメは日々の生活の中で皆がさらりと口にしている言葉にこそ考えさせられるものがあり
このアニメを通して当たり前だと思い込んでいたものを
もう一度捉えなおすことがいかに大切であるかということを学んだ
『美味しい』という命に対する感謝の言葉の重み…
『豊かさ』と『幸せ』は比例しないという『人生の充実感』…
確かな夢をもって生きている(生きてきた)周りの人々からの支えで
夢から逃げることは決して悪いことではないと感じられた変化のある毎日…
そして僕を含め多くの人が特に印象的だっただろう…豚丼の食肉加工

ペットと家畜の境界線って一体何だろう?

僕がこのテーマを考えた時にまず初めに思い浮かんだのは
その動物が死んだときに『自分が生きていることへの感謝』ができるかどうかである
ペットが死んだときに自分の生について考えることはあまりないだろう(例外もあると思いますが…)
つまり現代の人は家畜を家畜とさえ認識していない事実がある…
(もちろんペットである条件は他にあるため家畜がペットだと言ってるわけではありません!!)
また、我々はその家畜の『いのち』についてもっと考えることで
その『いのち』に対して敬意を払うべきだと私は感じた…

では『自分が生きていることへの感謝』とは一体何か?

最近我々の生きている現代社会はいじめで自殺したり幼児を虐待して殺害するなどの事件が少なくない
それは一言で言ってしまえば【人間の『命』の尊さを理解していない】と言える
ただ、皆さんはなぜ人間の命が尊いか考えたことがありますか?
人間が高等生物であるから？道徳として人に教えられたから？

今僕の中にある答えは…
『食物のいのちを受け継いでいるから』である
(もちろん人それぞれ考え方は違うと思います)

人は一人では生きられないという言葉を別の視点で捉えると
人は他の生物なしでは生きられないとも解釈できる
今回農業者の立場にたったこのアニメを見て
自分が生かされていることへの感謝の気持ちを改めて感じた
生命の誕生というのは非常に神秘的でヒトの着床率は6億分の一だと言われている
そして我々が普段食べているウシやブタの受精率はそれぞれ5～10億分の一、1～10億分の一である
つまりある一人の人間が産まれて老衰で死を迎えることがどれだけ大変なことかわかるだろう
そのような尊いヒトのいのちを無駄にするというのは
多くの貴重な食物のいのちを無駄にしていることになる
従って、我々は生をもったときから避けられない責任があると理解しておかなければならない

※ちなみに僕は怪しい宗教信者ではないので誤解が無いようにしっかり訂正しておきます!!笑

勉強ばかりしてきた僕が言うのはおかしいかもしれませんが
やっぱり机で学ぶことは人生で学ぶことのほんの一部なんだなって最近つくづく感じます
特に人を含めた生き物に触れて学ぶことは多いなと思います!!人間関係など…ww

は～い、今回はかなり真面目なレビューになってしまいましたが
とにかくこのアニメはストーリーの見かた・考え方を変えるだけで
全く異なった感じ方をもつ奥が深いアニメなので興味がある方はぜひ観てみてください!!(≧▽≦)

P.S.僕はこのアニメを観て、卵かけご飯とピザが無性に食べたくなりました!!ww