ギータ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
予想以上の出来栄えでした
私にとっては珍しい原作既読作品です。
原作があれだけの作品なので、作画さえ大変なことにならなければ評価してもらえるだろうと視聴前は思ってました。
正直アニメにはあまり多くを求めていませんでした。
アニメ見たことによって、原作買う人がもっと増えてくれればいいなぁくらいに思ってました。
しかし、ふたを開けてみればアニメも悪くなかったし、明らかに原作をこえたシーンもありました。
・原作をこえたシーン
①回想シーン
{netabare}豚丼出荷前の回想シーンは原作にはありません。
ただでも話の密度が濃い作品であるため、週刊誌1話掲載で回想シーンを入れるのは厳しいですよね。
アニメは十分に尺を取って回想を加えた結果、豚丼に対する名残惜しさ、生き物の命に対する八軒の複雑な感情を表すことができ、視聴者も感情移入しやすいシーンになったと思います。
アニメの1話という尺を上手く利用した原作を越えたシーンでした。{/netabare}
②小さいコマのシーンのアニメ化
{netabare}マンガってコマの大きさが色々ですよね。
でも、アニメってどのシーンも同じ大きさであり、原作で小さかったシーンも、アニメでは大きく映されているわけです。
原作で小ネタ程度に扱っていたコマが大々的に放送されたことによって、クスリと笑っていたことが大爆笑に変わったりしました。
あのベーコンのラグビーシーンとか、どんだけ爆笑したことかwww{/netabare}
③話の終わり方
{netabare}原作は続きが気になって仕方がない終わり方をします。
しかし、アニメは1話で上手くまとめている印象を受けました。
それは尺の関係もあるし、EDの素晴らしさもあるかなーと思っています。
あのEDの入り、マジ神ですよね!
めっちゃ爽やかな曲で、聞いてるだけで今日もイイアニメダッタナーという気分になります。
話が終わった後の満足感に関しても、やはり原作越えかなーと思います。{/netabare}
この作品の主張ってやはり色々考えてしまいますよね。
普段あまり気にしないこと、当たり前に思っていることへの疑問、その他様々。
こうして書いてみると、俺ガイルに似てますね。あっちはひねくれながらの主張ですが、こっちは真っすぐ、馬鹿正直な主張という感じですね。ともに大切なことであることは変わらないと思いますが。
この作品でも述べられていますが、正解がたとえ見つからなくても、考えることが大事だと思います。
そして、知らなかったことを知ることも重要だと思います。
そういうちょっとしたこと、小さなことの積み重ねが行動を変えると思います。
この作品を見て感心した人、考えさせられた人は多かれど、行動に移した、生活を見直した、変えた人は何人いるでしょう?ほとんどいないんじゃないかなーと思います。
でも、私はそれでもいいと思うんです。
行動に出さなくても、知っただけでもいい、少し考えただけでもいい、それが後々生きてくることってあると思います。
今すぐじゃなくても、何年か経った後に気付いたり、考えを改めることって結構ありますよね。
この作品の原作は小中生の多くが目を通している週刊少年サンデーで連載されています。
大人ももちろんですが、子どもたちが食や命の大切さに触れ、成長してから本当の大切さに気付き、次の世代に繋がっていけばいいなぁと思います。
これは考えすぎかな…(笑)
それでも教育に関わっている立場から考えると、子どもたちの将来の成長、世代の受け継ぎと言うのは信じていたいです。
とりあえず一度このあたりできっておきます。
2期も決まっている作品であるため、次は今回よりも期待した気持ちで視聴したいなと思います。
オマケ
{netabare}原作は毎週コンビニで立ち読みしています。
コンビニで読んでるにも関わらず、笑いをこらえられなかったり、声に出してしまうことがよくあります。
ピザ回の話でニヤけるなとか無理な相談ですよね(笑)
そして、本当にすごいシーンを読んだときは思わずゾクっとしてしまい、サンデーをそっ閉じし、(コンビニの)天(井)を仰いでしまいます。
今回のアニメのシーンから挙げるとすれば、肉になった豚丼を買うと八軒が言ったシーンなんかはゾクっとしましたね。
あとは馬の葬式のシーンとか鹿解体シーンでのじいちゃんの言葉と八軒の合掌なんかもそうですね。
銀の匙ってとにかく話1つ1つがハイクオリティなんですよ。
多くの要素で物語を構成し、色んな感情に働きかけ、色んな主張をしているのに、穴がないというか全部見入ってしまう感じ。
さらに本当にすごい時は先ほど話したくらいの感覚になります。
また、他の方のレビューにもありましたが、考えさせられる、命などの重めのテーマを扱っているのにコメディー感を崩してないんですよね。
話の重さ、軽さ、物語全体の雰囲気の作り方など本当に絶妙だと思います。これは相当すごいことだと私は思います。
これだけ全てにおいて凄いと思った作品はそう多くはないと思います。
また他の方のレビューとかぶってしまいますが、ちはやふる以来だと私も思います。
今回はアニメを見て考えたことだけ感想として書きましたが、原作の主張についてはやはり凄く、そしていくつも考えさせられることがあるので、書く気になったらそのうちここにも書こうかなと思っています。
この作品の主張にどれだけ影響を受けたことか。
一番のお気に入りのセリフは私が生きていく、教育する上で実際に大事にしている言葉になっています。→{netabare}「分かろうとする努力はやめたくない」{/netabare}{/netabare}