ぱるうらら さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
設定は良かった
『神さまのいない日曜日』はラノベ原作、1クール(全12話)のファンタジーアニメです。
まずはこのアニメの紹介。
人間の欲や業の深さに嫌気が差し、そんな世界を見離した神は、人々の一番望んでいる思いを叶えることを最後に、世界を人間の死なないの無い世界にしてしまう。しかし、人々は『墓守』という埋葬屋の手によって埋葬されて漸く死ぬ事が出来る。そんな世界で、ある一人の墓守の少女が旅を通して、様々な人々と出会い、人々の生き方を見て、そして世界のあり方を知ることで『世界を救う』手立てを考える。こんな世界観を持った作品です。世界観だけ見ればかなり面白そうですね。
物語は主に3つ。『死の谷』『オルタス』『ゴーラ学園&3年4組(封印都市オスティア)』の3つに其々分かれています。この中で設定を最も上手く活かせているのが序盤の『死の谷』。その3話分のシナリオだけで最終回としても問題の無いくらいの出来。故に『オルタス』編は序盤ほどの盛り上がりはありませんでしたが、この世界における多くの死者や生者の考え方というモノが垣間見れるシナリオで、そこそこ楽しむことが出来ました。ただ、オルタスの姫君はその立ち位置こそ良いが、彼女の物事に対する反応の薄さが彼女という存在のインパクトをなくしていたのが残念。
『ゴーラ学園&3年4組(封印都市オスティア)』は、願いが叶ってしまったことにより葛藤する学生達の心情がありありと表現された話。ゴーラ学園はそこに至るまでの暗いの雰囲気とは少々異なり、またこの作品の設定を活かしきれていなかったために、正直あまり面白くはありませんでした。ゴーラ学園編は後に続く3年4組編の布石、そして、アリスとディーを紹介する為の話と考えるべきなのでしょう。
3年4組編は『人々の一番望んでいる思いを叶える(人々に異能を与える)』の方を強調した話。意外な展開や、感動的な展開もあるシナリオ。ここでの主人公は「別に居なくてもよくね?」と思えるような微妙な立ち位置でしたが、それでもアイちゃんはしっかり美味しい所だけ搔っ攫っていきました。
私が思い描いていた結末とは違いましたが、その後どうなったのか気になる幕引きで、悪く言えば中途半端でご都合主義的な幕引きだったとも言えますが、またこの後の展開も観てみたいなとは思えます。設定の活かし方次第ではまだまだ面白くなりそうなので楽しみです。