yoh123 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
それは寄せては返す波
第3期は、ARIAという作品を結実させたシーズン
第1話から既に此の作品を何処に集約するのかが明確に描かれてあり、最終話まで微塵もブレずに編み上げられた一連の流れは、素晴らしいの一言
放映時期が最終話を3月の終りに来る様に組まれてあったのも、メッセージ性の強さを物語っている
また、作画が他のシーズンとは段違いなのも見もの
守られる立場からの巣立ち、挑戦への恐れ、持たざる者の渇望、失意と本意…
何度も何度も波の様に打ち寄せる想いの連続がARIAという作品のやり方なのだと、鈍感な私でも流石に鼻の奥をツンとさせながら当時気付いたものだった
第4話のハイクオリティは、後の流れや製作など無視するかの如しだ
後半のBGMウンディーネが流れるシーンは、第1期から主人公達の培ってきたものの大きさが垣間見える
また終盤、杏の言を受けアトラが唇を震わせる所は良いシーンだと思う
第5話の「無い物は付け足せば良い」、第9話の「(自分を)自身が好きにならなくて、他の誰が好きになってくれるの?」というセリフの持つ意味は、其の前後の遣り取りと共に此のシーズンの両舷を固めるに足り得る存在感がある
そして最終の第12、13話で其れまでのシーズン・物語を全て力に変えて強く優しく前へ押し出すのだ
シーズン構成も物語展開も此のコンセプトで一貫し此処にこそ収束している
ARIA最高のシーンが連続し、クオリティも全期通じて最高、ギャグもある
そもそも第11話終了後の次回予告からしてぐっと来る
アリシアの決心、躊躇いの雨、灯里の直向さ、深く静かな水の旋律、約束の場所、絶頂、急激に退いて行く波、そして二人、別れ道、力強い波、デジャヴュ
普段、ヘタレで臆病な私には眩し過ぎ、胸が痛くなるくらいだ
朝の空気に醒めるというフレーズは色んな意味で目覚めの苦手な私には印象深い
余談だが、第11話の晃のネーミングセンスは酷過ぎて笑える
どれがいい?とか言ってるが、そもそも選択の余地が無い(あれ以外にも何様姫様、もじゃもじゃりんとか…)
また、アリスの「寂しいよう」は破壊力がある、声優の良い演技だと思う
音楽も良い曲が多く、落葉の並木道を聴くと私は胸と頬の辺りがじわっとくる
ルーミス エテルネは河井英里(アテナ歌役)verもあり、こっちはじわっとくるどころじゃない…