あゆとも さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
殺人という形でしか表現できない悲しい少女達
{netabare} 社会福祉公社という、イタリア政府の運営する裏の秘密組織。
ここでは、社会で不幸な事故や境遇により体に障害を負った少女たちをギタイと呼ばれる殺人兵器にさせて、秘密裡に表に出せない問題を殺人という手段で解決させている。
1人のギタイには1人の担当官と呼ばれる成人男性が付き、ギタイ達は担当官の指示に従って命令通り動く。ギタイ達は条件付けという、反射的に危険人物を殺したり、監視人を守ったりする行動を起こすように、訓練を受けている。条件付けにより、殺人に対する感傷や人間的な同情はすべて消し去られ、殺人マシンに徹底するようにされ、無条件に担当官を守る事を至上命令と感じている。
ギタイの寿命は短く、使い物にならなくなったら捨てられるんじゃないかとおびえ、
精一杯担当官に気に入られようと、一生懸命殺人をする。
担当官も、ギタイを単なる殺人の道具と割り切る者、大切な部下と思って可愛がってくれる者と様々で、その一挙一動に少女達がうれしがったり、悲しがったりするのが可哀そうでならなかった。 {/netabare}
本来でも不幸な一生を送るはずだった少女達。それをこんな形でも生まれ変わらせられてそれでも感謝している。限られた寿命を、殺人を行う事が精一杯の恩返しと考え、担当官や組織に尽くしている少女達がどこまでも健気で、哀れだった。