「狼と香辛料(TVアニメ動画)」

総合得点
89.4
感想・評価
4753
棚に入れた
23405
ランキング
80
★★★★☆ 4.0 (4753)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

HIRO さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ヨイツの賢狼「ホロ」

☆総評
原作は、支倉凍砂さんによる同名のライトノベルです。第12回電撃小説大賞銀賞を獲得しています。
旅の青年行商人クラフト・ロレンス(声:福山 潤氏)と、「ヨイツの賢狼」ホロ(声:小清水 亜美さん)と名乗る、狼の耳と尻尾を持つ狼神とのファンタジー
背景は、中世ヨーロッパで情報の伝達が現代のように発達していなかったので、一攫千金を夢見るロレンスと取引相手の駆け引きが見ていてわくわくどきどきします。
また、ホロとロレンスの複雑な男女関係が絶妙に描かれています。
神と人間は種族が違うし、寿命も違うそんな2二人が恋愛関係に発展するには大きな障害が・・・それゆえ一線を越えられない二人・・芽生えては消える消えては芽生えるほのかな恋心・・・
観ていて胸がキュンとなる作品です。
(※小説ではこの先がありアニメとは若干違った形で終わっています。)

☆キャラ・作画
ホロ(小清水亜美さん)は何百年も生きているので、古臭いことばを随所につかっているのが、オオカミ神だということを忘れさせるくらいにかわいらしいキャラクターになっています。
福山潤さん演じるクラフト・ロレンスが狡猾さと人の良さをうまく演じていてやもすると悪徳商人になりがちなロレンスの存在感を絶妙な感じに引き上げています。
2008年の作品なので今の作画と比べれば荒さは目立ちますが、中世の時代のファンタジーってことで観れば逆にノスタルジックな感じがして許せるレベルだと思います。
小説の挿絵は少女のホロガキャラデザインされていますが、アニメでは大人の女性でキャラデザインされています。酸いも甘いも知り尽くしている狼神が子供のわけもなくアニメのキャラデザインの方がしっくりきます(笑)

ロレンスの無精ひげの描き方はひどい(笑)

☆音楽
OPの「旅の途中」は長い年月一人で生きてきた寂しさをロレンスと北の故郷へ旅するつかの間の幸せを良くあらわしています。
EDの「リンゴ日和」はまったく聞かないですm(__)m

☆データ
・あらすじ
行商人ロレンスと、狼神ホロが織りなす新感覚ファンタジー。
馬車で各地を巡り、数々の物品を取り引きする行商人クラフト・ロレンスは、収穫祭に沸くパスロエの村を発つ道すがら、荷台に積んだ麦束に埋もれて眠る少女を見つける。
少女は狼の耳と尻尾を有した美しい顔立ちで、自らを豊作を司る神“ホロ”だと名乗った。
「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」
老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。
ホロが本当に豊穣の狼神なのか疑いつつも、北の故郷へ帰りたいという彼女の言葉に絆され、ロレンスは共に旅することを了承する。そんな二人旅に思いがけない儲け話が持ち掛けられる。
近い将来、ある国の銀貨が値上がりするというのだ。その儲け話のカラクリを探るべく、ロレンスは話に乗って事件へと巻き込まれていく。

原作:支倉凍砂(「狼と香辛料」電撃文庫刊)
キャラクター原案:文倉 十
監督…高橋丈夫
脚本…荒川稔久
キャラクターデザイン
総作画監督…黒田和也
色彩設計…佐野ひとみ
美術監督…小濱俊裕(スタジオ美峰)
美術設定…塩澤良憲(スタジオ美峰)
撮影監督…松井伸哉
楽…吉野裕司
音響監督…高桑 一
音響制作:…神南スタジオ
ニメーション制作:IMAGIN
オープニングテーマ:清浦夏実 「旅の途中」
作詩:小峰公子 作、編曲:吉良知彦
エンディングテーマ:ROCKY CHACK 「リンゴ日和」
作詩:chris mosdell 作曲:山下太郎&noe 編曲:保刈久明

CV(敬称略)
クラフト・ロレンス: 福山潤
ホロ: 小清水亜美
クロエ: 名塚佳織
ゼーレン: 浪川大輔
ワイズ: 花輪英司
リヒテン・マールハイト: 大塚芳忠
ノーラ・アレント: 中原麻衣
ヤコブ・タランティーノ: 辻親八
ハンス・レメリオ: 郷田ほづみ
マーティン・リーベルト: 堀内賢雄

☆ティーブレイク
 安政5年6月19日(1858年7月29日)、日米修好通商条約が結ばれました。同様の条約をイギリス・フランス・オランダ・ロシアとも結んだので安政五ヶ国条約とも言われています。よく外国の領事裁判権を認め、日本に関税自主権がないため不平等条約といわれています。
 この条約にはもう一つ大きな問題がありました。通貨の交換比率です。アメリカのハリス領事は「同種同量」と主張し、洋銀1枚=天保1分銀3枚を主張しました。ハリスの通訳であったヒュースケンは以下のように日記に書いています。

 洋銀はメキシコ産の銀貨で27グラム=7.2匁(もんめ)、品位89.9%。天保一分銀は2.3匁、99%ですから、純銀の量だとハリスの主張は正当といえます。ヒュースケンは日本側の理解不足と言っていますが、これにはわけがありました。

 日本:金一両  = 銀四分(銀9.1匁)

 米国:金一両分 = 洋銀4枚(銀25.6匁)

 日米では金銀の交換比率が異なるのです。もし、銀三分=洋銀一枚にしてしまうと、洋銀を日本銀と交換して、さらに日本の金貨に交換して、それを上海に持っていき洋銀に交換することができるわけです。

 洋銀4枚 => 天保銀12枚 => 天保小判3両 => (上海にもっていく) => 洋銀12枚!3倍に!

 日本側は金の海外流出を懸念して、「銀一分=洋銀1枚」を主張しました。しかし結局、ハリスに押し切られて「銀三分=洋銀一枚」で条約を結びました。すると案の定、金の流出が始まったのです。貿易しなくても通貨の交換だけでボロ儲けできるわけですから。イギリスの領事、オールコックは外国人社会は半狂乱になったと日記に書いています。

投稿 : 2015/04/27
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サンキュー:

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