ぱるうらら さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
変態紳士による恋愛体験談
『アマガミSS』はゲーム原作、2クール(全25話+1話)の学園・ラブコメアニメです。
このアニメは6人の少女達が各4話に付き1人ずつ、最低変態紳士(主人公)の魔の手によって陥落し、そしてその後イチャイチャとバカップルさを見せ付けられる…そんな内容である。しかし、各4話で一区切りが付き、それぞれ別の話(話が元にリセットされる)であるため、6人全員と付き合う様な馬鹿げた状態にはならない。その点は安心していただきたい。
女の子たちは皆可愛い。ここは私情を交えるが、特に"七咲 逢"は絶世の美女である。天使である。女神である。彼女の回のシナリオもなかなか悪くない。正直、一番初めの"森島はるか"編よりずっと良い。"森島はるか"は主人公と上手くマッチしてしまったために痴女に成り下がってしまった。キャラは悪くないのだが…。
"棚町 薫"編は比較的安定していた。一度暴走したがそれでもアクティブな同級生キャラとして上手く作用していたし悪くない。
"中多紗江"編は突然方向性が変わってギャグ路線を歩み始めた。そしてここでは主人公が暴走。やってる事は犯罪者並み。強制わいせつの現行犯だ。しかし、このパートはギャグ向けとして作用していたので良かったとは思う。
"七咲 逢"編は彼女のあまりもの可愛らしさに視聴者が暴走する。と言うより暴走した、私が。
"桜井梨穂子"編は同級生で幼なじみというポジションなのだが、何だか中途半端な印象が目立った。内容もあまり覚えていない。むしろ茶道部の先輩達のアクの強さが目立つ回だった。
"絢辻 詞"編。これはこのアマガミSSの真骨頂であり、このシナリオを観てしまうと、今までの5人は何だったのかと思ってしまう。他のパートと比べるとシリアスな感じが目立ち、主人公が暴走をする余地も与えない程だ。そして、やはりアニメのクライマックスという点でもそのシナリオは大変面白い。先ほども述べたが、このパートはシリアスで全体的にどこか暗いイメージで、また、先の展開が読めそうで読めない。そもそも最初に(第1話~第20話までに)抱いていた"絢辻 詞"という人物像がめちゃくちゃに破壊されてしまったため、新鮮味があるのだ。それも彼女という存在を引立たせる要因の一つだろう。しかし、一番は主人公の貢献。最初はクズとしか思っていなかったが、ここに来てそのイケメンぶりを発揮。大変キャラのブレた主人公である。
第24話までの"絢辻"編がラストかと私は思っていたが、実はもう二人のシナリオが存在する事に気付き、中でも"上崎 裡沙"編の視聴の有無でこの作品に対する見方がちょっと変わった。というか、これを観て初めて根本部分が何も解決していない事に気付いた。"上崎"編・"橘 美也"編共に1話分だけにしては他のどのシナリオよりもテンポが良く面白く、そして一番重要なことだが両者共々可愛かった。
この作品は女の子に視点を置くアニメなのだろうが、主人公の妙な所が目立ってしまい女の子の方に集中出来なかった。主人公を許容できる人ならば楽しめるのかもしれないが、終始主人公を許容できなかった人には少々苦しい内容だったのではないかと思う。