missing31 さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
中世日本のシットリとした伝奇アニメ
全26話、文化庁メディア芸術祭アニメ部門 受賞作品。
舞台は中世日本。
蟲と呼ばれる、現実と非現実の境界線上の存在を
相手にしている蟲師が主人公。
それだけなら、普通の妖怪モノやSFものと大差無いのだが
秀逸なのはその蟲の設定と、巧みなストーリー演出。
絵柄からして「寄生獣」「夏目友人帳」を彷彿とさせる、
クセと味のあるキャラクターでそれはそれで非常に魅力的なのだが
とにかく物語がよく出来ている。
アニメには出てこないが、例えば
喧嘩している最中に眩暈を感じる原因が蟲だったり
するのだ。
尚且つ、ただ蟲が原因というわけではなく、
言い争いしている際のなじり合いの共振が
メスの蟲のアピール行為や、仲間を呼ぶ音に似ているから
このあたりに居る眩暈蟲が集まってくる、といった感じ。
(これは私の想像で適当に書いたが)
これが実に巧みに出来ており、
何の違和感も無く、自然と納得させられてしまう説得力がある。
夢の世界での非現実的な設定を
夢を見ている間は自然に受け入れてしまう事に似ている。
脇を固める各話のサブキャラクター達も魅力的。
不思議で、少し怖い非現実を没入体験できる貴重なアニメ。