ほるん吹き さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
たくさんのありがとうの気持ちを込めて…。
海と山に囲まれた瀬戸内の豊かな自然、安芸の小京都と呼称されるような古い街並み。
そんな広島県・竹原市が舞台の、女子高生たちの穏かな日常と成長を描く物語第3段。
高校生活も竹原での生活も2年目を迎えた沢渡楓は写真部を創部し、より「あぐれっしぶ」に、行動していきます。
しかしそういった人の注目を浴びるような活動は未経験だったため、周囲には心配され、本人も不安でいっぱいの毎日を過ごしますが、3年生の三谷かなえの入部をきっかけに写真部の活動も本格化し、新たな境地を見出していきます。
本作のテーマの1つとして、今は亡き楓の父が撮影した風景を探すというのがあります。
それは幼かったころの楓が父と共に訪れた名前も知らない場所などを、そこで撮影された写真を頼りに探していくという事です。
その場所に辿りついたとき、楓は当時の父の面影を思い出しつつ、幼かったころには感じられなかったようなことを新たに見つけていきます。
父がどんな人物だったかをより深く理解し、自分がいかに愛情たっぷりに育てられていたかを知るようになります。
そして、友人らと共にその感動を味わうことにより新たな思い出を積み重ね、また一つ宝物となって楓の心に深く刻まれていきます。
写真はその瞬間を切り取って記録し、思い出を振り返る際の手助けをする役割を担っています。
自分が成長するだけでなく、他人にも影響を与えていく楓の行動。
デジカメのかなえに対して楓のカメラはフィルム式なので、現像されるまでどんな写真が撮れたかなんて分からないし、デジカメと違って写真を消す事も出来ません。
楓はただでさえ失敗が多いため慎重に撮るべきなのに、ためらう事もなく被写体に向かって夢中で写真を撮り続けていきます。
でも日常の何気ない風景、自然体の美しさが特徴の楓の写真にとって、失敗写真もまた味があって良いとも言われています。
あれこれと考えすぎて写真を撮ることをためらい、失敗写真はすぐ消去してしまう完璧主義のかなえにとって、そんな楓の前向きで恐れを知らない姿勢には憧れを感じるとともに、写真に対する考え方も変わっているように思えました。
{netabare}というか、最終的にかなりぽって色に染められていましたが…w{/netabare}
その他にも、ちひろが友達を作ろうと努力するきっかけや、こまちが本格的に写真にのめり込んでいくきっかけも、楓の頑張る背中を見ての事。
楓の純粋で真っ直ぐであぐれっしぶな姿は、たくさんの人の心を惹きつけ、いつのまにか手本のような存在になっているように思えました。
今期は楓たち2年生にとっての1年間の物語でしたので、ここまで来たら卒業するところまで見守りたいですね。そしたら絶対号泣しますけどw
みんながどんな夢を見つけ、どんな道を進んでいくのか。もちろんまだまだ迷っていても良いのですが、残り1年でどんな答えを出していくのか気になるところです。