退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
洗いたての清々しさ
普段TV見ないしアニメはジブリしか観ないような母さん友達も、劇場に観に行ってたよ。
「"してあげられること もうないのかしら"ってとこが、感動で。身に染みて。ほんとに、子供と居られる時間なんてわずかなんだよね」
うん、うん。よーし、感動した!いい映画だった!!!
って、すっかり見た気になっていたんだけど
よく考えなくても 見ていなかったので … (はい。アホです…)
観たよ。アホです…。百聞は一見にしかずです…。
これは舞台が監督の出身地方、そして我が家のある富山県。雨と雪のお家は、私の所在地である町中からはかなり遠いけど。
テーマソングがアン・サリーさんなのも上手いチョイスだと思う。
自然食とか手作り生活な雑誌で支持されてる歌い手さん。私もアルバム持ってた。医師で歌手で母ってどんだけ才能あるんだ。
内容は、ファンタジーのはずなのに、とてもとてもリアルに響きました。
そう。子育てって、みんなお母さんたち、闘うというか挑戦というか…何というか…頑張ってるよ。
児童相談所が乗り込んで来るのもリアル。定期健診出てないと、来てしまうんだよ(知り合いのとこ来た)。放置含めた児童虐待防止なんだろうけど。健診は身体測定以外に、受け答えが「マトモか」という目線でも見るので、雨と雪が行ってたら〜…。その前に耳とシッポが隠せないね。大勢集められてテストするような態度取られたら、就学前のチビッコが普段と同じ顔見せられるはずはないんだけど。
実際、この作品のように自給自足目指して、理想と現実の間で踏ん張ってる知り合いもいるので、
主人公のお母さん・はなちゃんの農作業の苦労がリアル。
私も真似事で田畑やってるけど、下手なんで…苦労がわかる。そう、人工肥料いれてしまえば野菜はぶくぶく水太るけど、山の畑でそうするのは意味が無いから、周りの環境が肥料となり自然な雨水のみで育てることを目指すワケですが、雑草はすごいし作物虫に食われたり謎の動物に取らたりするし、色んな天気に応じて世話しに行けるかというと、結構根をあげております。
もー 家でアニメみていたーい。
でも地面に立つのは気持ちがいいし、育てた大豆で子供と作った味噌はおいしい。
おっさん達が畑仕事教えてくれるシーンがあるけど、やり方が皆違うってのもリアル。そうなんだよ何故だか。
でも山の中で女手一つでやってたら、耕運機ゴトゴト貸してくれそうだ。物々交換でなくても余った野菜はボンボンくれる気はします。年配の上手い人達は腐る程作るから。(まぁ、それじゃぁ自立的な物語にならないよね。そんな親切されるから下手なのだ。)
富山県民は働き者が多いので、若い世代が家にいると「遊んどる」と言われること請け合いかも。はなちゃんがはじめに陰口叩かれた洗礼のように…。
しかしこうやって書いてると、こんな私でも普通に生きて行ける郷ではあるんだなあ。
はなちゃんは強くて、でも「優しくあること」を諦めなくて、本当に偉い。人しれず寄り添い合う、はなちゃんと「彼」の頼りない猫背が、見てるだけで泣ける。
ゆきのボーイフレンドのそうちゃんの真っ直ぐさも素敵だったなぁ…。
1人で受け止めなきゃならないところは受け止めて、でも娘に伝えた形式の語りのためか、閉塞感はなかった。現実のつらさ…っていうか大変なところを見せながらも、清々しさに転換できていて。
よかったなぁ…。
ラストの、「洗いざらし」の感覚。
アニメの持つ力。
多分きっとアニメ好きな人なら、自分の生活の(心の?)燃料になるような作品を知ってるはず。
(あるいは、はまりすぎると逆に生活の方が燃料になってしまうのもあるかなァ…)
私にとってこれはその、燃料になる作品だった。
人しれず生きても希望を担おうという信念を感じられる、素晴らしい作品。
もらった力を大事にすべく、溜まってる仕事をこなすよー。
ほんと感動して泣きそうだったんだけど、見終わったのがダンナが起きてくる時間だったのでグッと堪えつつ、感想書いてる今、ジワジワきてます。
子育ては、大変といえば大変だけど、笑えます。楽しい・おかしい・嬉しい笑いもあれば、もう笑うしかないよ〜〜という時もあり。