「夏雪ランデブー(TVアニメ動画)」

総合得点
70.1
感想・評価
866
棚に入れた
3999
ランキング
1643
★★★★☆ 3.6 (866)
物語
3.6
作画
3.6
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

出会わないものが出逢うとき

いつの日か、まったく知らない花屋の店長に恋をして鉢植えを買い続ける毎日。
いつの日かその店でバイトを始めた葉月亮介、22歳。
しばらくするともう一人の店員の子が寿退社をするということで店長の家でパーティーをすることに。
そんな形で好きな人の家に上がることを忍びないと思いつつお邪魔する。
するとそこに上半身裸の男がいるではないか。びっくりし、さらににショックを受けてるときに彼は言う。
「君には僕が見えるの?」
彼は幽霊だったのです。それも葉月にしかみえない島尾篤という名の幽霊。
店長の本名は島尾六花。そう、店長の元旦那なのです。彼は続けてこう言います。
「六花ちゃんは渡さないよ。」
葉月の恋心もこれにより焚きつけられ、始まった、
30歳の未亡人と20代のフリーターと死んでも死にきれない男のちょっと不思議な三角関係。

登場人物はほとんどこの三人だけです。
だから彼ら1人1人が恋について、悩みについてじっくりと考えるから、ストーリーの展開もゆっくりと静かに進んでいきます。
ファンタジックな要素を話の中に織り交ぜてもいて
それぞれが抱える過去と大きな事実にどう向き合っていくのかが上手く描かれていました。


{netabare}

レビューのタイトルはもちろん『夏雪ランデブー』そのままの意味です。


島尾くんはかなり不憫でした。
彼のエゴから始まった一連の出来事。
最後は1人の人間から愛されるという最大の幸福を受けなんとか一歩引くことになりました。
死人は死人。この現実に介入できない。
その島尾くんの立場と死人が頭に張り付いてしまっていて現実に起こる出来事に障害を与えてしまう店長。
これもまた交わらないところで交わっている気がします。

恋愛描写に関して肉体的欲求を描いてたのは良かったです。
おそらく島尾くんとの対比なのでしょうが、変にプラトニックに羨望し主張するものよりこういったことを形にする方が自然で好きです。
村上春樹さんもセックスのない浮気はないと言っていました。
まあ僕にはいまいちわかりませんがおそらくそういうことなのでしょう(笑)
でもですよ、恋愛なんて結局はそこに行き着くんだ、なんて言ってるわけではないので勘違いしないでくださいね。
あくまでも自然なものの出来事として捉えています。

一番印象に残ったシーンはハサミのシーンもなかなかでしたが
個人的には島尾くんのベッドの横で言った六花ちゃんの一言「女房なめんなよ」でした。
この一言はすごく重かった気がします。たくさんの想いが詰まってます。
六花ちゃんの女として、妻として、愛を渡し渡された身として、人として

良いお話でした。

{/netabare}

投稿 : 2014/01/19
閲覧 : 373
サンキュー:

15

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