missing31 さんの感想・評価

3.3
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態：観終わった

非日常を日常的に描く。爆発的カタルシスは無いが、しっとりとくる。

いわゆる日常的なアニメ。
設定もそこまで目新しくは無いのだけど
キャラと声優の演技、演出がうまくて引き込まれる。

爆発的な感動は無いかも知れないが、
すーっと自然に泣ける様な作品に仕上がっている。
（といってもかなり 感動しろ！ みたいな演出だけど）

ちょっとまあ、展開が強引
（主人公が思い込み、話も聞かずに突っ走る感じ）
ではあるけれど、気になるほどでもなかった。

ただ、感動部分において「しつこいな」と感じる部分がある。
バラエティのリアクションを何度も何度も繰り返されて
「もういいよ」となる感覚。

ちょっとテンポが悪いかなぁ…。
終わりはもっと、強く、シンプルにしてほしかった。
最高潮に盛り上がったあとに、ひと段落あり、その後またちょっと盛り上がるので
ラストの感動が爆発的にならない演出だった。正直、しつけーって感じ。

設定としても、物語のキーとなる幼少期のエピソードが結構強引で、
「え？何でそこで話聞かないで突っ走るんだよ」って部分があって
正直ここだけは引っかかってしまった。主人公の無気力の動機も曖昧だし、
キャラの背景描写、心理描写に至っては、結構お粗末かなと思う。
画も良いし、声や音もいいので誤魔化されちゃうのかな。

ただ、こういった曖昧な設定のまま演技や作画に誤魔化されて
「最高に泣ける！やばい！！！」とラストシーンを賞賛して
信者化してしまうのは、ちょっと安易すぎるかなと感じる。

誰でも泣ける様に狡猾（言い換えれば馬鹿にしてるような）に
計算された感動の押し売りと、それを素直に受け入れてブヒブヒ泣いちゃう支持層に
若干の気持ち悪さを感じなくもない。