スパ砲 さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 2.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ラストダンスは永遠におあずけなのか・・・・・・。
今から観る場合、当時の文脈をすっ飛ばしてしまって後追いになる(俺もそうだった)が、名和宗則監督の作品のなかで突出して「熱い」作品だと思っている。主人公が女装して女子校に通っているというスリルと、幼なじみ&生徒会長に挟まれた三角関係ラブコメディにドキドキするのだ。話の筋がまず良い。
やっぱり生徒会長につきるのだろうか。
厳島貴子。
声優がたかはし智秋だったはずだ。
あまりにも典型的なツンデレキャラなのだが、主人公・宮小路瑞穂に惹かれていく展開へ持ち込むのがアニメスタッフは上手だった。どうしても幼なじみ「正妻(?)」の御門まりやが影に隠れてしまうくらい、強烈だった。
最終回の熱さはこの時期のローカル放送局深夜アニメ屈指のものだったのではないでしょうか。
瑞穂の正体がばれてしまい、貴子、まりや、瑞穂の間柄がぎくしゃくしてしまう。最終回のタイトルは「ラストダンスは永遠に」。「ラストダンスは私に」という往年の名曲を踏まえたサブタイトルだ。
同じ男(ひと)を好きになった貴子とまりやの関係性に焦点が絞られる。クライマックスの舞踏会でドラマは最高潮のテンションに達する。
結局結末はぼかされたまま終幕を迎えるのだが、百合展開というのが実はカモフラージュでありストレートなラブコメディに落ち着く、という構成は鮮やかにはまっていたし、俺はそういう真面目さこそを強調したい。真摯な美少女アニメだったのだ、これは。
エピローグで瑞穂の卒業までを一気に描いてしまうのは勿体無くはあったが、寂寥感というか、切なさも確かにあった。
堀江由衣が、半分男役。
ほかにメイン声優が浅野真澄、たかはし智秋、松来未祐ほか……声優陣は一世代前というのは否めないだろう。
ただ個人的には彼女たちがメインキャストで出張ってくれていたら、ぎゃくに懐かしくて落ち着く。それにキャラクターデザインもこれくらいがちょうどいいと思う(2000年代初期のアニメに遡ると、ちょっとキャラに経年劣化があったりする。)
いま見てもすごく安定しているアニメだ。
たしかに明らかに男性向きなのは否めない。そういう狭い範囲をターゲットにした作品ではあるが、今やってる深夜アニメの放送を追いかけるのに疲れたら、たまにはこういうコンテンツに立ち戻ってみるのもいいのではないだろうか?
今度いつスカパーで再放送されるかわからんがw