北山アキ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
無理やりアカデミック・フィルタでレビュー
1話目は面白く、期待が膨らんだが、
その後しばらく失速。
意外と普通の刑事もので、ある意味びっくり。
記憶も薄れかけてる中、むりやりこじつけレビュー。
なるほど、この世界ではテクノロジーの応用が、
コンピューター科学を元にした統計、確立、予測演算とか数理的な分野よりも、
数値とはいいつつも脳科学のような生物学的な分野に発揮されたのか。
{netabare}
人工知能じゃなく、人口知能みたいな感じか。
集合知、集合的無意識の存在の実在を前提とした
システム構築が即物的な脳みそネットワーク支配につながったとか?
厚生省が権力を握ってるわけだ。
だから、見た目が未来っぽいけど、
やってることは昭和から平成までとあまり変わらない
自然脳依存の刑事ドラマっぽくなるのか。
ドミネーターと言えど飲酒テストの道具みたいに
使うか使わないかは人任せだし。
(でもビッグブラザー的監視カメラ社会は
どこまでオートメーション化されてるんだろう)
そして、今の社会の基礎であるウェーバーとかのモダン(近代)の古典は
反逆者・填島が愛好するアンチテーゼ的な書物になるのか。
いや?ふつうに(シビラ)体制批判の分析ツールとして使ってたのか?
でも、モダンの支配や権力関係はもっと
ディスクールとかその瞬間の経済的価値とかに依存してて、
シビラみたいな即物的装置頼りのシステムと違い、
不可視性が高いし、
ダーウィニズム的直進性とも相容れない気もするから、
分析ツールとしてはどの程度有用なんだろう?
国民総洗脳・総公権力化は私たちの世界と同等レベルで成功しているから、
平和が保たれているのだろうけど、
装置に依存してるという限界ゆえに、
私たちの世界より公権力による支配構造は脆弱化してる世界、と僕は読む。
まあ、こんな見方するアニメ好きはほとんどいないだろう。
でも、製作側が小難しそうな小道具を張り切って出してきてくれてるんだから、
(作り手に雰囲気作り以上の意図がなかったとしても)
(僕自身も実は細部よく覚えてないけど)
スルーしたら負けかなと無理やり(似非)インテリぶってみた。
一番好きなシーンは最終話のラストカット。
背負った悲しさと、一巡した者の諦観と
それでも、それだからか立ち続ける強い意志が伝わってきて、
鳥肌が立った。
全体としての物語的快感はふつうだった。 {/netabare}