「ワンピース フィルム ゼット(ONE PIECE FILM Z)(アニメ映画)」

総合得点
67.6
感想・評価
304
棚に入れた
1961
ランキング
2395
★★★★☆ 3.9 (304)
物語
3.8
作画
4.0
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
4.0

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ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

覇道という名の正義をつらぬいた一人の男の物語…

放送作家の鈴木おさむ氏が脚本を担当して視聴前はどうなることやらと不安視していましたが
個人的には及第点の出来栄えでした。
期待していた方向性とは違っていたものの作品としてのまとまりはあったように思えます。
原作者と入念な打ち合わせを重ねただけありますね。
この作品で私が期待していたのは熱いバトルでしたが残念ながらそういった作品ではなかったです。
バトルはそこそこに根底にあるのはゼットという男の生き様、そして死に様です。
この作品はゼットなしでは語れないというか影の主役と言ってもいいくらい
ゼットにスポットを当てた作品でした、タイトルのZに嘘偽りはありません。

ゼットはかつて黒腕のゼファーと恐れられた海兵で元大将。
作中で今の名だたる海兵は全てゼファーによって育てられたなんて言われてましたね。
現元帥&大将のサカズキ、ボルサリーノ、そして元大将のクザンもゼファーの教え子だったらしく
スモーカーにヒナまで育てたっぽい。
これだけのメンツを育て上げたとかゼットが抜けた穴は大きいなんてものじゃないねw
かつて海賊に部下と家族を殺された過去をもち、
部下を殺しゼットの腕まで斬りおとした海賊が王下七武海に加入したのに絶望し海軍を抜ける。
これらの件がゼットの憎しみを増大させたのは間違いないんだろうけど
元々正義の味方とかヒーローに憧れてたみたいなので根底にあるのは悪と戦うってことなんだろうね。
にしてもゼットの部下を殺した王下七武海って誰なんだろうか。

全体を通して比較的無駄のないつくりだったと思います。
序盤からゼットVS黄猿だったり麦わら一味VSゼット一味だったりと
バトルシーンがあるので視聴者を飽きさせません。

モドモドの実でナミ&ロビンが若返っちゃってたけど可愛かった。
そして元に戻る時はなんかエロかったw

たしかに一人の男としてゼットはカッコいいと思うんだけど
やっぱり正義を口にするにはちょっといきすぎな部分も感じるわけで
海賊を根絶やしにするために新世界を破壊しようとしてたけど
無関係の一般市民もお構いなしに計画を実行しようとしてました。
まさに覇道…海軍でも海賊でもないNEO海軍とはよくいったものです。
彼の目的は海軍と同じだけどその手段はどちらかというと海賊にちかいものを感じました。
海軍でも海賊でもないちょうど中間に位置する存在ですかね。

本名はゼファーですが彼は執拗にゼットという名前にこだわっています。
これはゼットというのが彼の正義の象徴でもあり覚悟のあらわれでもあるからじゃないかと推測。
そもそもゼットとは彼が子供のころに生み出したヒーローの名前なんですが
ゼファーは自身の信念をつらぬくうえで後にはひけない…
Zの後ろには何もないという覚悟の象徴としてゼットと名乗っていたのではないだろうか。
非常に古臭い思想の持ち主で頑固おやじという表現がしっくりきます。

全体的に作風が良い意味で古臭いんですよね。
ルフィVSゼットもいつもと同じタイマン展開だけど妙に泥臭いというかw
視聴後も哀愁というか変な余韻があります。
ここらへんはワンピースっぽくないけど僕は好きですよ。
なんていうか作品の節々に昭和を感じます。

ちょっと下らないことを思ったんですけどアインのモドモドの実は
触れた相手や物ですら12年若くできるらしいんですが
その能力でゼットを若返らせたりとかは考えなかったのだろうか…
今回の計画を実行するうえでゼットが全盛期の状態というのはかなり強みだと思うのだが…
やはりそこでもZという名前のとおり後ろを振り返ったりはしないんですかね(笑)
アインの能力って考えてみるとかなり貴重なんじゃないかな。
海軍の上層部に悪用されそうな危険性を秘めた能力ですね。

モサモサの実の能力者のビンズは香川照之さんが
ゲスト声優をやられてたんですけど上手でした。
大抵こういうのをゲストにやらせるとその人のままだったりするんですが
香川照之さんはちゃんとビンズというキャラをつくって演じてたので違和感なかったです。

それにしても頂上決戦から二年経過して初の劇場版ですが皆強くなりましたよね。
個人的にはウソップが竹ジャベリンで雑魚を一掃したシーンが好きですw
なんかカッコよかった。
ゾロ&サンジも余力を残した状態で敵の幹部を倒しましたが
サンジはディアブルジャンブが必勝パターンになりつつありますね。
恋のメテオストライクって足だけじゃなくて全身燃えてたじゃんw
もうなんでもありですなw

毎回思うけどフランキーの火力高すぎませんか?w
あいつこの二年で麦わら一味の勢力図に深く介入してきたと思いますw

最初のほうで書いたとおり正直期待していた方向性ではなかったんですけど
観終わってみたら結構面白かったしこれはこれでよかったなぁ、と思いました。
ゼットという男の背中に哀愁を感じ余韻に浸る作品だと思いました。
ただ小学生くらいの子供がこれを観て楽しく感じるかどうかはちょっとわからないですね。

【A82】

投稿 : 2013/09/12
閲覧 : 306
サンキュー:

2

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