ツキ さんの感想・評価
2.0
物語 : 1.0
作画 : 2.0
声優 : 4.0
音楽 : 2.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
送りバント
衝撃のラスト
と言うのは以前より耳にしていたのである程度心構えは出来ていましたが…これは色々と酷いですね。
「ショッキングな展開の追求」ということで確かに驚かされることは多々ありましたがストーリー自体はかなりお粗末でもはやギャグの域。
それでも序盤までは割と丁寧な印象。思春期男子は好きとヤリたいの境がホントに曖昧で、誠がキスの最中に思わず胸を触ってしまう…なんてのはよく分かる描写でした。
て言うか序盤の展開はビックリするぐらいおんなじ経験をしたことがあるんです。
高校の頃駅のホームでよく会う女の子がいてその子がモロタイプ。何とか仲良くなれないかなーなんて思ってた時に仲を繕ってくれたのが共通の友人であるA子。その後無事交際することが出来たんですが何となくウマが合わずあまり一緒にいたいと思えないように。そんな時に浮気をしてしまったのですがその相手となったのがA子。しかもこの子にも彼氏がいる上にその彼氏に浮気まで発覚。俺の彼女と友人が修羅場すぎるって状態に陥りました。
そんなこんなでこの時の私の心理はまんま誠と一緒で、あまり上手くいってない時にグイグイこられると余計気持ちが冷めてしまうのはよく分かります。無論浮気をしていい言い訳にはなりませんが、この辺はかなり感情移入しやすかったです。
ただそれ以降はかなり強引な展開の連続。少なくとも言葉(ことのは)が誠にぞっこんする明確なエピソードは欲しかった。
「誠がクズで一途な言葉が可哀想」っていう図式に至る過程を描いてくれないと言葉を被害者として見せることに強引さが目立ちます。言葉の「もっと彼氏の気持ちを考えよう」って思考からあそこまで誠に依存するのはちょっと無理がある。単なるメンヘラ気質のある女として見られてしまうと言葉の被害者側って視点すら壊れかねません。
また、その後は発情期の猿の如くヤリ放題の誠ですが、光と関係を持ったところで完全に興ざめ。タイスケのことが好きな光と寝ることでショッキングさを演出したつもりでしょうが狙いすぎ、あざとすぎ。
好きな人がいるのに他の男と寝る光のビッチ具合を描きたいのか、性に興味があってつい関係を持ってしまったのか、誠が魅力的でつい関係を持ってしまったのか。この辺を全く描いてないのでただただショッキングさを見せたいだけでストーリーとかまるであったもんじゃない。
そういう意味では何故好きなのか、何故好きでなくなったのかを単純ながらもきちんと理由付けされている同じ中学の加藤が一番マシという状態に。1クールといえどせめて言葉、世界をもっと丁寧に描いて欲しかったですね。
ここまで人の恨みを買うと最大のショッキング映像である最終話の展開もある程度予想できるものとなり大した衝撃も感じないという皮肉な結果に。殺されることに予想はつくんだからせめてその殺し方にショッキングさを追求しないと。ただ刺すだけってw ギャグにしかならないですね。
せっかくの三角関係、しかも誠、言葉、世界だけでなく誠、言葉、タイスケなど多数のドロドロ展開を描くだけの材料があるのにそれら全てが全く活かされてない。
作画、演出、脚本とどれを取っても完全に平均以下。アニメでなかったら話題にもされない打ち切りレベルの駄作中の駄作なお話しでした。