退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:今観てる
原作好きです
原作、大好きなんです。
何度も、泣かされます。
あのわびさび具合。
あらかじめ失われた、古来風土のおとぎ話。ひたひたと息づく眷族の神秘。気負いのない、やるせなさ。言葉でくくりきれない、それでも生きている部落の人々。
海と陸がわかりやすい彼岸と此岸であるなら、山岳のその狭間はどこなのか。狭間に迷い込んだかのような人間と、蟲という不可視な生き物を絡めて味わい深く描写される。
作者の拾い上げる、あの平熱感はなんだろうね。
人しれず息絶え燃え尽きたおとぎ話を、染み込ませるように記憶し運ぶギンコ。
もうどこにも居無いようでいて、どこかに、どこにでもいる人達の哀しみでもある。
アニメは観たはずなんだけど、
思い返すと原作漫画のコマ割りの絵が浮かんでくる。
一挙再放送していたので観たのだ。
確実に悪くないんだけど
こんな辛気臭い話続きだったかなー?という印象で。
大げさなことをせずにシンプルに原作の良さを出そうとしているのは分かるんだ。会話の落ち着いたテンポとか。鈴の音のような音楽とか。
でも原作はもっともっと、
深く滲むような、広く底の無い穴を覗くような、肌に迫る感覚があるんじゃないかと思わずにいられない。
割と皆さんアニメも絶賛ですよね。
「まとめてみるものじゃない」というレビューの方がいて、ナルホド、そうかもしれない。チビチビ観て、余韻を楽しむべきかもしれないね。
またちょこちょこ見返してみます。
作品内に度々出現する、唯ならぬ力を持った「修験者」。
以前、山栗を拾っていたら山伏を拾ったことがあるよ。
バイクが故障して困っていた山伏さん、を車に乗せて町まで送った。
山伏さんは定時の食事以外は、水もおやつも一切摂らないらしい。
大型トラックとの交通事故で生死をさ迷った後、修験道に入ったと言っていた。そういうキッカケがあるものなんだね。
「栗を拾っていたようですが、この御礼に、知り合いの栗園の栗を差し上げましょうか」との申し出に
一緒にいたダンナが
「いや、拾うのが楽しいだけなので、結構です。」などとカッコつけて答えてしまい後がなかったのだが
「ちっげーよ!食べるのも好きなんだよ!!山伏に栗、しかも栗園の栗をもらえるなんて滅多にないだろーが!!何言っちゃってんのよ!!」と突っ込みたかったけど言えなかった、煩悩まみれの妻であった。
そんな秋の日の思い出。