退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
じんわりじんわり効いてくる
さりげない表情がとてもかわいいな。些細な謎を見つけて解いて、「驚異の部屋をご案内します」って感じになるのかな〜っ、ワクワク。
…推理力はあるけど、何でもめんどくさがる省エネ志向の折木を指して、マヤカが
「こいつ、前世がキリギリスだから」
この酷い、素っ気ない言い様に、不覚にもブハッと笑ってしまった。
折木は些細なことが気になり過ぎて、シリアスに捉えてしまうから、物事を見るメガネの度が合わないように、めんどくさがりな態度を取ってるんでしょうか。でも知識はあっても実践に弱い、と。
************
未完成映画を巡る推理。二転三転して面白かった。
ただ、探偵たる恵まれた資質について…等々、
折木のこじんまりシリアスなノリに、皆が皆して乗っかって考えてしまうと、何とももったり停滞感が出てしまうね。
エルちゃんは案外、誰の軸にも乗ってかないマイペースさがあるようで、結構頼もしい。
************
文化祭編。
たくさんの要素が絡み合って見応えがあった。ここ好きだなぁ。
皆がそれぞれの軸で行動しているのが見えて。
折木は折木らしく、定位置から全く動かないで絡んでるのがうまい。
オープニングも2番目のがドラマティックで面白い。
{netabare}
ふくちゃんが時折見せるシリアスさは、折木に対しての嫉妬?
重ねて漫研の先輩や、副会長、 {/netabare}
追いかける側の感じる、置いてきぼり感や切なさが丁寧に描かれていて、学生時代ってこういうのあったなーと思った。
崇拝される側にも、あっちにはあっちの事情や心情がある、と思うんだけどな。
追いかける側だって、欲しいのとは違うもの かもしれないけど、持ってるものはあるはず。
そんな視野の狭さ、相手の気持ちや主張が見えないところが物足りないけど、それが若さっ!てことなんだろうか。
最終話へ向けてその辺、消化されるだろうか。
************
今更だけど、とっても分別くさい話だね。この文学由来成分な分別くささが、慣れると面白いけど、ともすればデリカシーに満ち満ちた空気に
「考えすぎでは…」と突っ込みたくも。
そりゃぁ不粋ってもんなんだろうな…すいません…と、居ない周囲をキョドキョド伺うような。
************
温泉行きがてら肩を並べて歩く二人。眉間にしわ寄せて考え込む折木の横顔をそっ…と見守るエルちゃんがかわいい。
エルちゃんと折木、既に、縁側の茶飲み夫婦のカンロク。
{netabare}
しかしエルちゃんのコスプレ写真を見てびびったり、胸元にドキッとしたり、自転車二人乗りに警戒したり、 {/netabare}青春なところも。かわいいね。
************
ふくちゃんのおおらかさを見て、昔はこうじゃなかったな、と感じるところ。おや?これは成長かな、と感じたんだけど、副作用もあったさ〜というバレンタインデーの話に。
ふくちゃんの、執着を諦めること、自分の境界線を気にしないようにあえてつとめる、その楽さって、わかるなぁ。わかる。(子育てってそう…。)
そしてそこに初めて好いた娘の存在が舞い込んじゃうと、どこまでその娘に執着していいものか、わからなくもなるだろうなあ。うむ。さっさと恋路を走りやがれ!
このバランスとりは、いつになっても大事だと思う。
何というかこの話の人たちは、すごーく自覚的なのね。
************
最終話
この世ならぬ近隣地元世界のうつくしさや、恋心の陽炎のような浮かれが重なって、すごく美しい回だったね。
もっと先が観たいなあ。原作読んでみます。
************
実は、
早々にタイトルに繋がる謎が解かれた…そのタネは!
{netabare}ナニーー?!
榊原郁恵の「夏のお嬢さん」か い!! {/netabare}
と、独りでつっこんだ後、この作品は一体、どういうテンションで視聴していけばいいのか…ちょっと分からなくなりかけたんだけど。
マヤカのキリギリス発言で気が楽になって、続きを見てみてよかったと思う。
じんわりじんわり好きになって、また見返したくなる感じだった。
どうしようもない欲をいえば。
キャラデザがもっと思い切ってモタっとダサければ、内容の分別くささや登場人物たちの趣味の渋さが活きたと思う。
この京アニチックなキラキラさは、どうあってもオシャレで今風になってしまうんだね。
だから、ふくちゃんの古い言い回しがちょっと浮くし、折木も、ボサボサで出てきてもお前どうせイケメンじゃないの、考えるなよ、と突っ込みたくなるわけで。