退会済のユーザー さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
前作に比べると、戦隊ヒロイン色がより強まった印象。
まずは、個人技のクオリティの向上。前作の個人技は、正直言うとどれも似たり寄ったりだった。
ドリーム、ルージュ、アクアの三人は直線攻撃という部分が共通しており、差別化できていたのは広範囲攻撃のレモネードと防御要員のミントだけ。ドリームは後半、強化技の【クリスタル・シュート】で差別化されたものの、ルージュとアクアは強化技も同じ必殺技バンクだった為に結局、差別化されないままとなってしまった。
その時に比べれば、今回はバンクで大きな差があったの嬉しい。
また、追加戦士の存在も、いかにも戦隊モノという感じで面白い展開だった。追加戦士がまさかのミルクとは完全に予想外だったけども……。
ミルキィローズの存在は、確実に本作の特色を決定づけるモノとなった。
プリキュアが5人がかりでも倒せなかった敵幹部を単身打ち破った時なんて、まさにヒーローモノにお約束の展開じゃん!
ミルキィローズを演じた仙台エリさんの演技も相まって、彼女は非常に熱いヒロインとなった。前作を観た誰が想像できただろうか。
ただし、アクション面に大幅な向上は見られたものの、それ以外となるとどうにもモヤモヤしたものが残る続編だったように思う。というか主にエピソード面で続編に望んでいたものが、ほとんど描かれず終いだったのはかなりショック。
のぞみら5人の夢に関するエピソード、シロップの物語は良かった。それは確かだ。
が、それ以外のところに、続編の良さが出ていない。
例えば、増子さん。彼女はかつて方向性ややり方の違いから独りとなってしまった過去があった。前作では「いつか私にも仲間がまた出来るのかな……?」と悩む姿が印象的だった。
その「いつか」とは、この続編で描かれなければならなかったのではないか?
また、前作の欠点の一つに【世界観の狭さ】があった。前作はメインの登場人物を掘り下げるのに時間がギリギリだったせいで、いまひとつ学園の要素を活かすことができなかった。
ならば、人物の掘り下げが終わり、尺に余裕のできたこの続編では、そうした学園面の描写をもっと増やすべきだったと思うんだ。
リンの部活動の様子とか、小町とカレンの修学旅行とか、描ける場面は結構あったと思う。期待していただけに、これらが描かれなかったのは残念でならない……。
他にも、小町がナッツから預かった王国の鍵が一切触れられなかった点や、クレープ王女との会話でシリアスにココが語ってたワリにはのぞみとココの関係になんの区切りもついていないなど、締めの甘さを感じる。
また、全体的に質の向上が見られるアクション面でも少しモヤっとする部分が。
一つに、パワーバランスの悪さがある。
これはもう、東映だからと割り切るしかないのかもしれないけど、バランスが悪い。
ミルキィローズは幹部であるスコルプを圧倒した。これだけを観れば「ミルキィローズ強ぇぇぇ!!」で済む話だ。でも実際は、その前にプリキュアが5人揃っても太刀打ちできないシーンが描かれてしまっている。
つまり、【ミルキィローズ一人でプリキュア5人分の強さがある】という認識を視聴者はするワケだ。
そうなると、その後のミルキィローズに違和感を感じてしまうんだ。
だってスコルプ戦以降は、普通のホシイナー相手に苦戦することが少なくないから。
1クールが終わる頃にミルキィローズ登場。
2クールが終わる頃にプリキュア5の新技。
3クール目でミルキィローズの新技。
4クール目の最後で最強技。
こう見ると新要素を入れるタイミングは悪くないので、もう少し整合性を考えた状況作りを目指せばよかったのかもしれない。
例えば、作中でも何度かあった通り、ミルキィが幹部の相手をして、プリキュア5がホシイナーと対峙するとか。これだとミルキィの必殺技の使いどころがなくなってしまうので、時折役割を入れ替えたりすれば問題はなくなる。
また、戦隊ヒロイン色を強めたにも関わらず、プリキュア5が倒した幹部はネバタコスとシビレッタのみ。スコルプはミルキィローズが、ヤドカーン&イソーギンはドリーム&ミルキィの特殊なケースとなっており、強敵であったムカーディア、アナコンディはどちらも館長が消し去ってしまい、カタルシスを感じずじまい。
とくにアナコンディはミルキィローズと因縁があったので、是非ともリベンジ戦で決着をつけて欲しかったところ。(メタルブリザードで敵幹部を倒した回数はゼロ)