笑い男アオイ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
商人にスポットを当てた傑作ファンタジー ホロにめろめろダゼ!!
原作小説で話題になった行商人と狼の精霊の旅の話です。
この話には、英雄は出てきません。
この話には、魔王も出てきません。
この話には、魔法も出てきません。
この話には、お金と商人と狼の精霊が出てきます。
剣と魔法が出てこないと言っても、この世界には戦争もあります。
舞台は産業革命前あたりのヨーロッパだと思って下さい。
現実の世界とは異なる世界かも知れませんが、世界には王族や貴族や教会や商会等の力を持った存在があり、そこに住む人々は町や村といった単位の まとまりで暮らしています。
町と町を繋ぐのは行商人達です。
彼らは、決まった店を持たずに町から町へと約一年をかけて一周するように動き、その地方地方での特産物などを仕入れ別の町に行き売りながら、地域の物流の要になっているのです。主人公のロレンスもそういった自分の巡回ルートを持つ若い行商人の一人でした。彼ら行商人の夢はいつか自分の気に入った町にに根を下ろし。町の一員として町で店を構えることにあります。
そんなロレンスがいつも通りにある村に小麦の買い付けに訪れた事から、彼と彼女の旅は始まるのです。
ロレンスの旅の相手となる狼の化身で人の娘の姿をした彼女はその地方の麦の育成を長い年月見守っていた賢浪のホロと言います。
頭に獣の耳を生やし、お尻に狼の尻尾を持つ彼女はロレンスにあるお願いをします。ロレンスは初めは彼女の事を悪魔付にあった異端の者だと思いますが、自称賢浪の彼女は商売の知識は無いんですが頭の回転は早く、いつも商売をしているロレンスの気付かないような気転で様々な知恵を貸してくれます。
彼と彼女の旅は、ファンタジーですけど魔法など出てこずに知恵と勇気で様々な問題を切り抜けて行きます。旅を続けるうちにお互いを信頼し合える合えるようになる様子が描かれた作品はファンタジーの新しいページを開いてくれた作品だと思います。
また、ホロが凄く魅力的なんですね。
昔の言葉を使っているんですけど、遊郭とかで使ってた言葉を使っています。『主さま』とか『わっち』とか『ありんす』とかホロの言葉使いは時代がかっていて長い時間生きてきた彼女の事を現しています。
ロレンスもただの商人じゃなく儲ける為だけじゃない行動をするんだけどやっぱり商人だからその行動原理には損得があり、そこが逆に面白い。
新しい感覚のファンタジーです。ロレンスとホロの旅をご覧ください。