退会済のユーザー さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
軍人×音楽の時点でテーマとメッセージに期待してしまうのですが、結果的にはそこそこ期待した通りの出来。
軍に志願した主人公カナタが小隊の仲間や、街の人達との交流を深め、成長していく流れは丁寧で好印象。キャラクターにきちんと個性があり、やり取りも楽しい。
物語終盤の展開も演出もテーマに沿っていて、観ているだけなら問題なし。
しかし、残念なことに、本作を象徴する要素である『軍』と『音楽』のどちらもがあまり活かされていないんだよなぁ。
『軍』については、ザックの担ぎ方や8話のトイレの話は良かったものの(トイレの回はギャグとして処理されてたけど、実際に休戦中という状況を鑑みると充分にあり得る話)、肝心の訓練の様子がほとんど描かれていない為、休戦中という設定がピンとこず、小隊の雰囲気がミリタリーサークルの域を出ていないんだ。
4話にてカナタが「本当に怖いのは、人を殺す機械じゃなくて、それを使う人間だよ」と語るのだけど、戦時下の状況をあまり表現できていない中では、軍人の在り方も戦争も認識できていない彼女が言ったところで重みも説得力もあ無いワケで……。
音楽について。
こちらは使うべき場面できちんと使えてるので、さほど違和感はないかもしれない。ただ、音楽以上に『言葉』が前に出すぎてしまっている気がしてならない。
本作では、言葉にできない想いを伝える術として音楽が活用されるべき。
なのに、肝心の主人公がほとんどその心情を言葉にしてしまっているんだ。これだとせっかくの音楽の要素が勿体ない。
音楽と、それを聴く人達の表情で表現出来ていれば、作品のクオリティはもっと昇華していたことと思う。
ローマ兵士とのやり取りはかなり良かったから、これだけで充分と思う方がいても、問題はないんだけど……僕としては、物足りない。
あと個人的に気になったのは、後日譚である13話の、カナタとリオの会話。世界の現状をリオが語るのですが、出来ればこれ、本編終盤に入れておいて欲しかった……。