退会済のユーザー さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
TV本編の放送に先駆けて劇場公開された、デジモンの前日譚。放映時間はわずか20分。そしてこの20分という短さが実に良い。
この短い時間の中で一切の説明を省くことによって視聴者の意識を画面の中の動きにだけ向かわせる。それを手伝うBGMの選出は見事。現実感を喪失させ、どこか現実離れした感覚に視聴者を誘うんだ。そしてそれは多分、太一らと同じ心境だろう。
要約すると二体の怪獣の戦いを眺める。それだけ。
しかし、信号機に飛び乗るアグモンの躍動感。グレイモンの重量感。大迫力のメガフレイム。これらを楽しむ為の要素が手堅く用意されており、ただ画面のアニメを20分かけて堪能出来るというのは嬉しいものだよね。
ちょっと残念なのが、進化がありきたりというか、デジモンらしくなかったこと。
のちに細田さんが制作する「時かけ」や「僕らのウォーゲーム」でも分かるように、この人は数字を使った演出とか表現を好んで使用している節があり、それは本作でも窺えるのですが、肝心のデジモンの進化シーンにそれが反映されていない。デジタルモンスターなのだから、そこはきっちり作って欲しかった。
まぁ、あの迫りくるような成長で、太一らにとって〈謎の体験〉であることを強調したかったんだろうとは思うのだけど、それはもう音楽とお話の見せ方とで充分伝わってきているので、もう少しデジモンらしさを出してよかったんじゃないかと思う。
とはいえ、20分という時間を目一杯楽しめたので、評価は以上のとおり、高評価。太一のモノローグからのEDという入り方も良かった。