momomax さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
感慨深い作品。宮崎駿監督の生き様。
これは監督として生き抜いた、
宮崎駿監督の自分をさらけ出した作品だと思います。
演出の足したり、引いたりを度外視して
監督の思うまま作られたのではないでしょうか。
『モデルグラフィックス』に連載した漫画は未読。
全盛期の勢いや、エンターテイメントなものとは
まったく別の次元です。
実在の人物である堀越二郎をモデルにし、
堀辰雄の小説『風立ちぬ』からの着想を盛り込み
また、宮崎監督のお父様の人生をモチーフにされているとか。
なので楽しいジブリ作品が好きな方には
淡々として物足りないかも知れませんが
私には監督そのものをひしひしと感じて
感慨深い作品でした。
色や作画は本当に素晴らしい!!(*^_^*)
木々の緑、建物、駄菓子やさんの瓶詰めまで
丁寧に画かれていて、作画に心踊りました。
昔、劇団で昭和の芝居をした際、、
時代考証を綿密にしたセットや、小道具を思い出し
懐かしかったです。
映画のワンシーンを思わせる演出や
意味深い台詞にもぐっときました。
戦争を知らない世代ですが、
芝居の疑似体験から戦争の悲惨さ虚しさは
経験しているので涙がでました。
(零戦は)1機も戻って来なかった…
激動の時代において、飛行機を飛ばすという
自分の夢を貫いた主人公と死を抱えながら愛を貫いた妻。
すごい生き様です。
堀越二郎の声 - 庵野秀明さんですが
声フェチ、声優好きの私ですが、気になりませんでした。
訓練されてないから勿論下手ですが
むしろ、夢に生きた達観した感じがあって良いのでは。
この作品は観る人で二分されますね、きっと。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」うん、良いです!!