やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

人は負けて成長するのではない、傷ついて成長するのだ!!

■評価
ストーリー : ★★★★☆ 4.5
演出・構成 : ★★★★★ 5.0
作画・映像 : ★★★★　 4.0
声優 : ★★★★☆ 4.5
音楽 : ★★★★☆ 4.6
キャラ : ★★★★★ 5.0

■ストーリー
百人一首の競技かるたで日本一になる事を夢に
主人公の千早が幼馴染の新、太一たちとの
交流を通じて心の成長を描くものがたりの第二期。

■感想
非常に分かりやすく面白い感動作品でした!!

しかし、1期から2期を通してみてきましたが
レビューを書くのが、こんなに難しく悩ませて
くれる作品はありませんでした。
だって、安定した良い作りで駄目な所があまりないし
他の方の素晴らしいレビューが盛りだくさん・・・
こっこれはこ抹茶。
なので、1から2期を通して自分にとって印象に
残った3つの良い所を書きます。

この作品の一番の魅力は、自身の弱さとなっている
無意識に築いてしまった自身の壁(コンプレックス)を
どう乗り越えるのか？
どうぶち壊していくのか？その自己対峙が非常に
丁寧にかつ分かりやすく描いている所ですね!!
（他者への批判や言い訳作りではなく、常に自身に
目をむけ評価しています・・・侍か??）
主人公の『ちはや』だけでなく、『瑞沢高校かるた部の
メンバー』が試合を通して、ぼろかすに負けて傷つく事で
内面の弱さに気づき、次の勝利のために弱さを克服し
努力が報われる姿は素直に感動できます。
この作品は単なるスポ根ではなく、精神面の描き方は
剣道などの武道に通ずる深さを感じました。
『傷つく事と気づく事』は同類語なんですね!!

また二つ目はストーリー展開にきっちりメリハリが
ある事です。描くべき所(魅せ場)は心模様一つ一つ逃さず
丁寧に描いて劇的な結果をみせ、あまり重要でない部分
(試合)はざっと概要と結果だけを見せて、つぎの場面への
重要な繋ぎ役として消化させています。
また場面に味付けが足りなければギャグや説明コメント
簡単な総集編シーンを挟む事でストーリーに大きな抑揚を
作っていると思います。
(盛り下がりやマンネリを上手く誤魔化しています)
この大きな抑揚が、かるたの地味で飽き易いという
イメージを一瞬にして吹き飛ばし、格闘技なみの緊迫した
空気感や、静かな湖面の様な清々しい空気感をつくって
いると思います。

そして三つ目は音楽や効果音(BGM)の使い方が非常に
上手いと思います。
どちらかというと地味だと思っているのですが、OPや
ED曲だけでなくさりげない会話のシーンに重ねられる
虫の鳴き声や、畳をたたく音そして衝撃シーンで流れる
BGMは、その場に流れる空気感を上手く演出していると
思います。なんか風流に感じたりする事もありました。

総じて、この作品は体重・性別による階級差などはなく
実力と才能で勝敗が分かれる厳しい世界観と人間関係
そして心理描写が上手く表現できていると思います。
また他者に勝つことを強要するのではなく、自立する事が
メインに描かれているので、体育会系が好きでない方も
この作品は十分におススメできます。
今後も期待できる作品なので、3期が待ち遠しいたけ。

最後に、団体戦決勝で絶対泣くモナカと意地をはって
いたら、いつの間にか鼻から涙が溢れ出てシマウマした
・・・ (￣ii￣)。これは世界ふしぎ発見!!