「ふたりはプリキュア Splash Star(TVアニメ動画)」

総合得点
63.1
感想・評価
79
棚に入れた
435
ランキング
4556
★★★★☆ 3.7 (79)
物語
3.8
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

本作の特徴と言えば、ディレクターさんが別の人に変わったことだろう。
初代とMHはかつてドラゴンボールの監督を担当していた方なので、バトル面がかなり男らしく仕上がっていた。
それに比べて本作は、プリキュアのコンセプトである【戦う女の子】の姿勢を崩さないまま、前作よりも女の子がとっつき易い作風となっている。
分かりやすいところでは、ゴリ押しでガチな肉弾戦が成りを潜め、超常の能力を使用するようになった点だね。

前作はとにかくパンチやキックによるド派手なラッシュが特徴だったけど、本作は精霊の力によってバリアを展開したり、超距離ジャンプを行ったり、風を巻き起こしたり、光弾を放ったりとバリエーション豊か。
こういった部分は、パワフルで力任せだった前作に比べて技巧派の印象を受ける。
「前作の方が良かったぜ」って方もご安心を。終盤の戦いは前作好きの人も納得の出来。

アクションが弱くなったといっても、必殺技のバンクシーンのクオリティは下がっちゃいない。
ここも同じく、パワーでは前作に劣るのだけど、その代わり演出が良い。
中盤より発動可能となる【プリキュア・スパイラルハート(orスター)・スプラッシュ】と、その発動キーとなるスパイラルリング。この演出が良い!
まず、スパイラルリング。ムープ&フープの「スプラッシュターン」がすごくカッコ良いBGMと共に発動し、リング装着。ここから、二人がリングに備わった二つの輪っかを取り出すのだけど、ここでは咲の取り外し方がヒーロー然として惚れる。
輪っかを装着し、中央のシンボルを回転させるや、今度は舞が魅せてくれる。シンボルが回転する左手をスゥー……っと掲げる動作が凛々しくて惚れ惚れするんだよこれが。普段は、シリーズ一の美人と称されるだけのビジュアルの良さを遺憾なく発揮する舞ちゃんだけど、戦闘となるとほんと凛々しいね。

そして、必殺技発動だ。敵を光で飲み込み、ハートまたは星型の結界のようなもに閉じ込めて闇の力を引き離す演出は煌びやかにして美麗。そりゃウザイナーも「ありがとう」と言っちゃうぜ。

で、本作の美点はこれだけに留まらない。
キャラクターも秀逸だ。カレハーンは「カレっちと呼んでくれ」なんて言ってくるようなフレンドリーなヤツである。オレ様キャラなくせにゴーヤーンをあしらえない余裕の無さがまた面白い。
モエルンバはオカマくさくてノリノリ。「chacha♪」なんて口ずさむ陽気な性格なのに冷酷なのだから焦る。
続く三人目のドロドロン。これがもう、良い意味で気持ち悪い。多分このキャラはアドリブが多かったと思うんだけど、呟きが面白かったなぁ……。
ミズ・シタターレは作中でもっともサキに馬鹿にされ続けた不憫な幹部。高飛車で傲慢だけど実力者。なのに鼻水たれなんて名前で呼ばれて可哀想に……。
キントレスキーは名前が良いよね。筋トレ好きってまんまじゃねーか! 名は体を表すというが、このキャラはほんとそのまんまだった。サキの絵に真剣にツッコんだ回はすげー笑った。潔い最期も彼の魅力の一つ。

残念なことに、彼ら幹部と比べるとアクダイカーンは魅力に欠けるキャラクターだったかな。その代わりとばかりにゴーヤーンは良い味出してた。アクダイカーンにゴマを擦りつつ、幹部には嫌味を言う辺り、中間管理職然としてましたね。かと思えばどう考えてもドラゴンボールに出演するのが相応しいあの正体な。

もちろん、主人公側だって負けちゃいない。
咲は前作の主人公、なぎさの大食いと恋愛面、さらにほのかの眉毛を継承したハイスペックな人物である。そして笑顔。笑顔がめちゃ可愛い。最強である。まさしく向日葵が咲くような笑みだ。
舞は前作のほのかに立ち位置こそ似ているが、咲との会話ではしばし天然なところを披露してくる。そしてこれまたすごい美人。彼女のせいで後期EDを飛ばせなくなってしまったぐらいだ。
そしてそして、満と薫。キリヤ君を踏襲したキャラクターである彼女ら、アクダイカーンに向かって命を説き、アクダイカーンの抱える矛盾を突いた場面に歩んできた道と心境の変化がばっちり集約されていて感動モノだった。惜しむらくはタイトルが【ふたり】はプリキュアだったが為に、プリキュアとして活躍できなかったことである。ほんと、惜しいことをした……。


キャラクターに関してはこのくらいにして。
本作は、前作以上に題材とメッセージがハッキリしていた。
本作は命を讃歌しており、主人公ら四人を花鳥風月に見立て、命の尊さと美しさを表現しています。ここで言う命とは人間に限らず、全ての生命。その為か、本作は森や海と言った自然の背景にも力を入れているのが特徴。

主人公らとダークフォールとで対比が実に鮮明でしたね。
プリキュアらは命について充実と希望を持ち、ダークフォールは虚無と絶望。ゴーヤーンの主張とプリキュアの主張は面白いものがあった。
終盤の対立にて、プリキュアらがそれぞれの夢を語り、彼女らの想いに星が応え、世界を包もうとする絶望を払拭する。そして、後日譚にて夢を叶える。この後日譚あってこそ、本作は素晴らしい作品へと昇華したのだと思う。
エピローグにしっかり時間を割く作品って実はあんまりなくて、自分にとっては嬉しい限りでした。
ここで、試合前で緊張する咲に黙って手を差し出す舞がキュート。二人の友情に感無量だ。

投稿 : 2015/08/12
閲覧 : 188

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