「ガッチャマン クラウズ(TVアニメ動画)」

総合得点
69.6
感想・評価
698
棚に入れた
3386
ランキング
1781
★★★★☆ 3.8 (698)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

笑い男アオイ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ガッチャマン知らないけど面白いよコレ

ガッチャマンって 昔にタツノコプロがやってた番組でしょ?

私の認識もそんなものでした。5人の鳥の名を冠する若者が協力し合って敵と戦う作品だったらしい。くらいですかね。

正直ガッチャマンって今頃言われてもねーとか思います。

というか、思うのが普通だと思いますよ・・うん。

なんで古臭い変身ヒーローものやるんだ?って思ってみてたら・・・こいつはやりおる。

キャラデザインは好みが分かれるところだと思いますが、つり球をした人ですね。そして、変身後のデザインはセイクリッドセブンで登場させた敵のモンスターやスーツに近いのではないでしょうか?

つまり、日常パートはほのぼの系な絵で押して変身パートは近未来っぽいデザインにしてきているので作品中にメリハリがあると思います。

そして、主人公の一ノ瀬 はじめは正直言ってることが馬鹿正直過ぎて最初はう~~ん・・・って成りましたが、それを逆にこの製作者の言いたい事として代弁させている作品の本質的な部分だろうと思って聴いていると案外まともなことを言ってることに気が付きます。

ラインのようなツールGALAXでいろんな人が知り合いになってるのに、直接面識が出来てもそれ以上深くつながったりお互いの仕事について協力し合える事があるのに言われるまで大人がその事に気がつかなかったりとそれおかしいんじゃね?って思うようなちょっとした核心にズカズカと入れるのも凄いと思います。

ちょっと勉強しましたが、ガッチャマンクラウズのクラウズって以前のガッチャマンで言う敵なんですね。今回も対立しているふうに持って行ってますけど、なんだか敵っていう感じじゃないんですよね。ライバル?みたいな感じになっていてそれはそれでありなんでしょうね。違和感があまりないです。

はじめちゃんが基本敵対関係を取らないので、本来なら強敵となる憎むべき存在が、なんだか憎めない感じになってるのも面白いんじゃないでしょうか?

以前のガッチャマンを期待している方には拍子抜けかもしれませんんが逆に予備知識なくてガッチャマンクラウズを見ていれば、そうゆうものだな~と逆にしっくりきます。

こんなヒーローものも新しくてありじゃないかと思います。

評価は全て見終わってから改めてつけます。

追記:見終わった感想

結構な私見で書いてネタばれが多いので注意してください
{netabare}
ガッチャマンという正義の概念を通して固定観念から産まれる正義と悪の構図そのものを問いかけた作品でした。最初思ってたよりも奥深い作品です。

キーワードのGALAXというソーシャルネットワークの発達した世界において、『悪意』とは何か?『正義』とは何なのか?というヒーローモノの最も根源的な問題点を、今の現実の世界とリンクさせて問題提起してきている作品でした。

シリーズ通しての『悪』の代名詞となっているベルク・カッツエを単なる悪人とせず、人類の『悪意』の総意として表しているんだろうと思いました。

ソーシャルネットワークのいいところは、はじめちゃんの指摘した事のように役職を超えて年齢を超えて、人と人が知り合い助け合うことのできる関係を築き上げていくことが出来る環境を産み出せるって事だと思います。

その理想を追い求めていたのがルイくんでしょう。彼の思想にヒーローは必要ない。人々の善意で世の中を変革していきたいというまさに理想像を展開させていますが、そのシステム自体をカッツエに乗っ取られてしまうと、理想が脆くも崩れ去ってしまう所など、監督が言いたい現実と理想の対比がよくあらわされているんじゃないかと思います。

そして、匿名性のあるネットの悪い部分のような問題がカッツエの本格的に地球を滅ぼそうとしている行動の中に表れていました。誰かに今の問題を押し付けたいと思う気持ちが、人々の中にある悪意を増幅させ群衆の力で世界を悪くしていくことになるという悲しき現実をクラウズを使ってあらわしていたんではないでしょうか?

最終的に、ギャラクターの力を皆に与えてクラウズ化出来る人間を増やしたのは、人々に自分で考えて本当は何が正しいのか自分の目で見て判断してくれ!!というメッセージになっていたんじゃないかと思います。これは、アニメを通して我々視聴者に直接的に語りかけていたのではないでしょうか?

そして、最後に何事にも純粋にそしていっさいぶれることなくストーリーをリードしていたはじめちゃんとカッツエが融合したかのようになっているシーンは、私にはどんな人間の中にも悪意というものはあるんだけれど、悪意を抱えたままでも自分の意志で悪意を表に出さずに誰しも行動が出来るんじゃないのか?といったような意味にとれるんじゃないかな?と思いました。

誰もが、敵と思っていた宇宙人と会話をし真剣に真正面から取り組む、正直気持ち悪いくらい真っ直ぐなはじめちゃんの中にさえ悪意は存在しているという。我々は完全に綺麗じゃなくてもいいから自分の目で見て正しい事を判断出来る人になろうって言われているような気がしました。
{/netabare}


そんな結構深い作品に出会ってしまったと私は思いました。

投稿 : 2013/10/24
閲覧 : 228
サンキュー:

9

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