nora1581 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
タイトルなし
見終わってからとても切ない気持ちになりました。
でもこれは本当に傑作なんだと思いました。
{netabare}
この話は簡単に言うと、昔の女のことを忘れられない男の話ってことになると思います。そして見事に対比の表現がされていたと思います。
ぼくは最初てっきり遠野君とあかりの二人が、距離は離れているけれど思いは通じ合っているのだと思っていました。
しかし、見終わってみると二人の気持ちは最初からすれ違っていたのだとわかりました。
中一の冬に遠野くんがあかりに会いに行ったとき、遠野君が書いた手紙は風で飛ばされてなくなってしまい、渡すことができませんでした。
あかりは逆に渡せたはずの手紙をあえて渡しませんでした。
遠野くんが書いた手紙にはおそらくあかりへの好きだという思いが書いてあったと思います。
そして、あかりの手紙には最後の回想シーンで「わたしは大丈夫」と書いてあったことから、恋人にはなれないという趣旨の内容が書いてあったのだと思います。
二人があの夜キスをしてしまったことで、遠野くんは互の気持ちを確認できたと思い、また、あかりは言いたかったことを言えなくなってしまい、すれ違いが起こってしまったのではないかと思います。
社会人になり、遠野くんとあかりは東京に住み以前より互の距離は近くなったのに依然二人は会えずじまい。
ひとりさみしく過ごす遠野君
それとは反対に、旦那と幸せそうに過ごすあかり
遠野君のことを考えると本当に切なくなります。
自分が支えなければと思っていたあかりは、中1の時には既に自立していて、逆に自分はいつまでたってもあかりのことを思うだけで、行動に移せない。
過去に囚われたままの遠野くんと、前に進んでいるあかり。
最後の踏切のシーンは印象的でした。
物語の冒頭ではあかりは踏切で「またここであおうね」と言っていますが、ラストではおそらくあかりは遠野君のことに気づいていたけれど、そのまま踏切からさってしまいました。
時間が経って大人になると、昔仲が良くても話しづらくなってしまうものなのでしょうか。
この作品は見ている人に訴えるものがすごくあると思います。
でもぼくは物語を読み取る力がないので、どれだけ作品を理解しているのかわからないし、この解釈があっているかどうかもわかりません。ひょっとしたらかなりちがっているかもしれない(^_^;)
でも作品がなにを伝えたいのかを考えてアニメをみることは大切なことだと思いました。
そのほうが見ていて楽しみが増えると思います。
ネットには「秒速5センチメートルとは二人のこころが離れていく速さなのではないか」と感想を書いている人がいました。
そのように考えると、またおもしろいとおもいます。
つらい現実を突きつけられる作品でしたが、いろいろ考えることができて良かったです。
{/netabare}