こたろう さんの感想・評価

3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

軍事バカは殺気意外の空気は読めない

原作はライトノベル。正統派ロボットアニメ。
組織やキャラクターはミリタリー色が強いですが、設定はいかにもロボットアニメらしく、特殊な「何か」があって、主人公やライバルキャラはアホみたいに強いという都合のいいパワーバランスです。
時代設定は現代ですが、ASというロボット関係に傑出したオーバーテクノロジーが発達しているという世界観。
細かいところを突っ込まなければ、戦争ものとしても楽しめ、可愛い女子高生も出てくるというバラエティー豊かな作品です。


見所はなんといっても主人公のキャラ。
軍事バカで朴念仁。
テロや戦争の最中で育った生い立ちがそうさせるのですが、そのバカが任務として日本の高校に来て色々とやらかす話。
一般常識に乏しく空気が全然読めない軍人マジメ男が、高校生としてヒロイン達と絡むドタバタ劇。
それがコメディパート。
一方で戦争部分では、優秀なAS乗りとしての大活躍。
唯一、敵キャラへ対抗できる能力の持ち主として、主人公はいつも前線で戦う事になるのですが、その中で悩み傷つき、哀しみを募らせるお話。
それが戦争パート。
コメディ３割、戦争７割ぐらいの配合で、ロボットアニメ的なノリで進みつつも笑いどころもしっかりある、という作品です。
恋愛要素も少し入っていてエンターテイメント性の面でバランス良くできてます。


一部でフルＣＧも使っていますが、ロボットの戦闘シーンは手書きのテイスト。
ニュルニュルと動くというより、アングルの切り替えや搭乗員のカットインを多様したロボットアニメの魅せ方の様式に忠実でそれが心地いい。あんまりお金はかかってなさそうですが＾＾
ロボの作画はともかく、キャラ作画はよく崩れてました。
キャラデザインが結構濃いので、崩れた場合に目立つのがタマに傷です。

キャラ設定としてヒロインの性格がチャキチャキ系なので、お色気シーンや恋愛パートでもイマイチ萌えは感じられません。
面白いは面白いですが、その性格の割りに暗かったり不機嫌な状態の事が多く、あまり魅力が引き出せているとは言い難いのが少々残念。
もう一人のヒロインは可愛いですが、メインでの出番が少なくもう少し主人公と絡む話や過去話がないと説得力に欠けます。
まぁ、それでも、先が気になる主人公との微妙な関係が構築されていて期待感を煽るには充分ですが。


総括して、ちょっと絵柄やストーリー展開が古臭いのは否めませんが、それでも番外編、２期と、続けて作成されたのは一定の評価があってこそ。
ロボットアニメとしては手堅く、そこそこオススメできる作品です。