カミリス さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
前に進むための涙
以前友人に絶対泣けるからと勧められ、何度も観ようと思いつつも機会に恵まれず観ることができなかったが、ニコニコアニメスペシャルでやっと観ることができました。
物語はあまり多くは語らずといった感じで、物足りなさはあるものの、比較的シンプルにまとめており、そのなかで丁寧に描かれている。なのである程度の解釈は視聴者に委ねられている。
最後まで大小いろんな疑問を残して終わっているが、別にそれに対して答えが作中にないわけではなさそうで、解釈の仕方はたくさんあった。しかし、どれも納得はできるがしっくりは来ない。ベストではなくベターどまり。解答のない問題を解いている感じに似てるかも。
{netabare}
例えば
・何故じんたんだけに見えたのか。
シンプルに考えれば、メンマの願い(未練)がじんたんに対するもの、かつじんたんの母親に関するものだったから。だが、願いがかなったとわかった時にすぐ消えなかったことについてや、本当にメンマの未練はそれだけだったのかということにも疑問が残る。
他にも、じんたんだけが本当の意味であの日のまま時間が止まっていたから、というのもあれば、じんたん以外の4人がメンマに対しての罪悪感や後ろめたさがあったから、というのもある。どれも、なんとなくわかるがしっくりはこない。
・どうして他の4人に視えないながらも、最初から自分はここにいるということを示さなかったか。
※じんたんは願いだから別として考える
今回は必ず別れが来るとわかっている再会だったから、再び同じおもいをさせたくなかったから。自分が皆を過去に縛っているという罪悪感があり怖かったから。自分がいるということを示してから、ほかのみんなが集まっても、それは過去の繰り返しでしかないことがわかってたから。
どれも正解に見えるが、イマイチ「これだ!」と思えるようなのがない。
・どうして伏線もなかったかくれんぼという遊びで最後を締めたのか。
急にメンマが消えた(視えなくなった)シーンは過去の事故を彷彿させるようだった。
前回は何も言えずのお別れ。あのときからみんなとはかくれんぼしてたんだよ、というメンマなりの表現だったのか。
今回はじんたんがいる。それが、過去との違いで、あの日の出来事を繰り返さないという描写なのか。
かくれんぼは皆見つけないと終わらない遊び。あのときからの思いをすべて吐き出して、あの日の自分たちを見つけたという描写なのか。
この最後のかくれんぼに関しては思うところがたくさんありすぎる。どう解釈しても正解の”ような”感じ。
他にも疑問がありつつもこうなんじゃないかなぁと思えるところはたくさんあった。
ただ、一つだけ言えるのが、こんな答えのなさそうな疑問の解釈の仕方の中には、どれもメンマの優しさや、みんなに対する愛がうかがえるということ。子供っぽい描写が多かったメンマだが、あれで意外と達観している。お姉さんのようで、母のようで、仲間のようで、子供のようで。
そんなメンマらしさというか、メンマというキャラクターが疑問の中の随所にみられるのが、この作品の感動するポイントでもあるのかなぁと思った。
クラナドAS18話のように、大切な人の死を受け入れたときに流れる涙にはちょっぴり弱いです。
俺はかなり期待し過ぎた分、思ったほどは泣かなかったが、他の人が号泣した!というのもわかる気がする。
※ま、最大の疑問はタイトルなんですけどね。「あの日」がいつを指してるのか。「花」がなにをさしてるのか。なぜ「”まだ”しらない」なのか。
花に関してはメンマのことだろうなと思えるセリフが最後にあったのと、エンドカードがメンマを指してたんで多分メンマなんだろうが、じゃあなんでまだ知らないなんだろうね。
そこら辺考えながら、もう一度がっつり観るつもりです。
※ちなみに、「めんまみーつけた!」~「見つかっちゃった」というシーンだけは、リアルタイムでチラっとみたことがあって、さらに、メンマは死んでいるという設定は知ってたんだよね。だから。視聴前はてっきり子供のころにかくれんぼの最中に事故で死んで、そのやり直しをしてメンマを成仏させるアニメかと思ってたんだけど、そんなことはなかったw
{/netabare}