「ふたりはプリキュア Max Heart(TVアニメ動画)」

総合得点
62.6
感想・評価
75
棚に入れた
552
ランキング
4812
★★★★☆ 3.6 (75)
物語
3.4
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

4クールアニメの続編は難しい。ただでさえ、マンネリが特徴なのが4クールアニメなのだ。それが続編ともなると、マンネリ化は避けられない。
だから大抵、続編には新キャラとか新しい設定を加えることになるんだけど、後から設定を付け足すことを想定していない世界観に新しい要素を突っ込んで均衡を保つというのは、とても難しいこと。
そして残念なことに、東映アニメは追加設定の使い方とかパワーバランスとか、その辺が凄くヘタクソなのが常であり、本作もその例に洩れない。

そう、本作の場合は、シャイニールミナスの立たせ方だった。
1話目でなぎさとほのかは再びプリキュアとして戦うことになるのだが、プリキュアとしての二人の力は前作よりも強くなっているとのこと。しかし、にもかかわらず、二人はわずか4話目にして幹部の一人であるサーキュラスに圧倒されてしまう。
この時に初めてヒカリがシャイニールミナスとなってどうにか危機を切り抜けるのだが、これ以降、なぎさとほのかの弱体化が目立っていくことに。
強くなっているはずなのに、ルミナスが居なければザケンナーの一体も倒せないプリキュアとか、伝説の戦士が聞いて呆れるよ……。

しかもしかも、【マーブルスクリューMax】が登場して間もない5話目にして早速次の必殺技が出てしまい、これがスクリューMaxより強いもんだから困る。いくらなんでも、出すタイミングが早すぎるだろ。スクリューMaxが破られてからでしょ普通……。
いくらヒカリを目立たせる為とはいえ、これはいささかやり過ぎな気が……。やるならせめて、

・プリキュアには変身できるものの、クイーンがいないことで弱体化しており、ルミナスがいなければ本領を発揮できない。

ぐらいの整合性は欲しかった。


かと思えば、中盤以降二人がスパークルブレスを手に入れてからというもの、二人が驚異的な身体能力向上に加えて、【エキストリーム・ルミナリオ】以上の大技、【マーブルスクリューMax・スパーク】を会得したことで、今度はルミナスが空気化してしまうことに。
なにせルミナスの役目は【エキストリーム・ルミナリオ】を発動させることぐらいだったのだから。
ルミナスの空気化はプリキュアの時以上に深刻で、変身しても出番が無いのは当たり前、酷い時には変身すらしない回がある始末……。どうしてこうなった。

また、アクション面以外でも問題が。
ハーティエルの扱いです。
女王復活の鍵となる十二の志。ヒカリが女王の命であると同時に心でもある以上、彼女が十二の志を捜索する中でそれぞれの志を学んでいく過程を描かなければならないのは明白。
しかし、本作にはそれが描かれていたとは言い難い。ヒカリの中に生まれた感情に呼応して現れたハーティエルは別として、なぎさやほのかに呼応してハーティエルが現れた場合は、ハーティエルの言葉を通してヒカリが学んでいくところを描くべきだと思うんだ。
それなのに、ハーティエルとの会話がおそろしく少ないせいで、いまいち何の為に存在しているのか分からない……。玩具の販売の為なんだろうけど、出すなら出すで、きちんと本編に絡ませて欲しいよね。


……さて、否定的な意見はこのくらいにして。
結論からいって、やはりプリキュアは面白い作品だということを再認識することとなった。
まず、アクション面が前作以上の出来。OPの時点で既にそれが如実に表れているぜ。
前作のOP以上に果敢に戦うブラックはもちろんのこと、どこかきょとんとした表情の多かったホワイトも、このOPではザケンナー相手に猛烈なラッシュを魅せつけており、本編が始まるからワクワクさせてくれる。

それ以外でも、ヒーローらしいポーズもちゃっかり進化しており、【エキストリーム・ルミナリオ】での口上時といい、スパークルブレス装着時といい、【ハーティエル・アンクション】発動時といい、ポーズがいちいちカッコ良い。歌舞いてるわぁ……。
必殺技を挙げていっても、【マーブルスクリューMax】は【マーブルスクリュー】と【レインボーストーム】をうまく組み合わせて作られており、前作よりも強いんだと一目見て分かるものとなっております。更にその強化技である【エキストリーム・ルミナリオ】も然り。
さらに今回の【マーブルスクリューMax・スパーク】。これがもう本当にカッコイイ!
スクリューMaxで敵と競り合いになったところにエネルギーを上乗せして競り勝ち、光の波で敵を吞み込む……。実に素晴らしい。なんでこれで女児向けなのか。


なんといっても最終決戦が熱い。熱すぎるぐらいの勢いで展開していくバトルの様相は、手に汗握り、心が燃える。
決戦の半ばでふたりが辿り着いた、絶望に屈しない心の在り方。これが鳥肌ものだ。
心だけは誰にも縛られない。
自分達がそうだと信じる限り、命は自由なのだ。
中学生にしてこの境地に辿り着くのに、いったいどれだけの絶望に立ち向かってきたのだろう。しかし、だからこそ彼女らの唱える、この荒唐無稽に思える考えにも、無視できない力強さと、バカにできない重さがあった。


アカネさんが洗脳されたままなばかりか、養子が一人増えるという被害をこうむったことに関しては大変遺憾ではあるが、あれだけの最終バトルを魅せられては、許すしかないよね。
正直、これ以上の熱さを伴ったラストバトルを、僕はおそらく、アニメの中で出会ったことがない。

投稿 : 2015/07/31
閲覧 : 204

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