lostman6 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「氷菓」というタイトルは、この作品世界の氷山の一角に過ぎない
本作は、日常推理ミステリー小説〈古典部〉シリーズのアニメ化である。
できるだけ無駄なことはしたくない省エネ主義者・折木奉太郎が、日常のちょっとした不可思議な出来事に遭遇するたびに類いまれな推論で解決していくというもの。好奇心旺盛なヒロインの千反田えるという、主人公とは対照的な存在によって彼の性格が引き立つようになっている。
物語は原作のうちのいくつかを並べた構成で、これといった本筋はない。「氷菓」というタイトルは、この作品世界のうちの、ほんの氷山の一角に過ぎない。このタイトルに惑わされていると、最後までこの作品を楽しむポイントを見逃したままになってしまうかも知れない。
はっきり言うとこの作品は地味だ。そういう作風なのだ。その「地味さ」に馴染めるかどうかが評価の分かれ目になるだろう。
ちなみに、作画レベルと動画の安定感は恐ろしいほど高い。
▼きっとこんな人におすすめ
・文学的な空気感が好きな人
・過度なキャラに依存しない形の日常学園モノ
・派手な演出や超展開はないがキャラクターの何気ない仕草や心の動きに関心のある人