大仏 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
近未来SFアクションとは裏腹の人間味。
大人向けのアニメと聞いていたのでどんなもんかと思いきや、確かにそうだった。
本作は全体的にオシャレで渋いです。
映画「マトリックス」が本作を参考にしていると言われるほどのハイセンスな近未来の設定も当然オシャレですが、それ以上に事件やそれに関わる人物、公安9課の人間味がイイ。
これだけの近未来設定なのに、これほどまでに人間味で楽しませてくれるとは思ってもみませんでした。
基本的に一話完結なので、早く次が見たいという気にならず、見終わるまでに時間が掛かってしまいましたが、終盤は一話完結ではないので一気に見ました。
かといって、終盤以外は面白くなかったのかと言われたらそうではないです。
前半は笑い男事件を主軸として事件を展開し、一話完結ながらも種をまく。
中盤は、事件を通してそれぞれのキャラクターを深く印象付ける。
それがあるからこそ、これだけのSF作品でありながら、事件物サスペンスであり且つ、人間味が際立つ。
ただ単に展開が面白くて次が気になるアニメとは違って渋いです。
どのキャラクターも気になりますが、強いてあげるなら、トグサとタチコマがやっぱりイイですね。
トグサの人間味は言うまでもないですが、タチコマの人間味が面白い。
予期せぬAIの自己発達というテーマは数々の作品で使われていますが、ほとんどがAIの暴走や人間への敵対という形です。映画「2001年宇宙の旅」しかり「ターミネーター」、「アイ,ロボット」・・・。
もちろん優しく描く作品もありますが、アクションではほとんどがこっちな気がします。
そんな中、本作のAIタチコマは愛くるしいです。
{netabare}話が進むにつれてAIならざる言葉を発するようになりながらも、どんどん発達するそれぞれの個性が可愛い。
第15話「機械たちの時間」では、正に「2001年宇宙の旅」と言わんばかりに恐怖も感じますが、終盤ではバトーが「素子ーー」と叫ぶのと同じように「タチコマーー」と叫ぶ自分がいましたw。{/netabare}
あと、エンディング曲もすごくイイ。正にこのアニメの渋さそのまま。