シェリー さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 2.0
声優 : 5.0
音楽 : 2.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
二度と帰らぬあの夏の日々
観ていると懐かしさが胸の内からにじみ出てくるような映画です。
じりじりと太陽がアスファルトを焦がす夏。
カブトムシを探しに行く小学校6年生のユウタは道中でヘンテコな爺さんを助けた。
結局一匹も捕れなかった帰り道で大雨の降る中、ユウタは土砂に足をとられ転落してしまった。
気が付くとどこかの丘の上の原っぱにいて目の前に女の子が一人立っている。
間もなくして向こうからケンゾーと呼ばれる少年が走ってくる。
しばらくしてユウタはヘンテコ爺さんを見かけ現状を問いただした。
それがなんと一か月後にはダム建設でなくなってしまう村にタイムトラベルしてきてしまったのだ。
爺さんは最初に逢った人間の記憶に刷り込んでおいたから生活には困らないとのこと。
続けて爺さんは言う。「一か月後には戻れる。それまで我慢せい。」やれやれ、むちゃくちゃだ。
そしてその日からユウタにとって、もう二度とやってくることのない夏が始まったのだ。
小学校の夏休み。人数を集め、とにかく走り回って汗をかいて遊び尽くした季節。
この映画のイメージとしてはいとこの家に泊まりに行ったときの感覚に近いです。
その短い期間だけめっちゃ仲良くなって、「また来年会おうね!」なんて言いながら別れをすごく惜しむみたいな。
あとネタバレになってしまうのであまり言えませんが
気づいたときに目の前にいた女の子はとっても重要な人物です。
大きな悩みを抱えていてそれはユウタも無視できないものなのです。
映像は背景がとても綺麗でした。
あのころの夏を思い出せる映画です。
{netabare}
ストーリーの運びがとてもスムーズだったと思います。
ユウタの戸惑い方にもおかしな点がなく自然に感じました。
ただラストが。
あそこまでガッツリ描いちゃうの?って思いました。
想像の余地を一切作りませんでした。やり過ぎです。
僕はケンゾーで終わっても良かったと思いました。
サエとユウタの別れも感動しましたが一番はサエがおばあちゃんにお礼を言ってるシーンでした。
勝手にこの時代にきて、住まわせてもらったのにお礼もできず、さらにはサエ自身もまた死へ向かう。
そんなことを考えると自然に涙は流れていきました。
好きなシーンはやっぱりあそこです。
告白されると思って行ってみたらパシられた。
笑いましたわ。
{/netabare}