yoh123 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
訣別の朝に
三部作には三人の夢描写がある
一部には主人公の、二部には女千人長の、三部には宿敵のという具合にそれぞれの土台に関するものが描かれてある
勿論寝てみる夢は起きてみるそれと違いがあるが表裏のような関係を持たせてあり、徐々に世界が綻びを見せ始めメビウスの輪の様に全体の話は捩れていく事になる
さて、BERSERKに於いて最も興奮する展開の連続するのがこの第二部だ
崖墜落とキャスカの夢、百人斬り、ドルドレイ攻略戦、犀将軍との一騎打ち、凱旋…と黄金時代の象徴ともいえるシーンが怒涛の様に続く
そして第二部クライマックスはBERSERK史上最も美しいシーンである払暁の訣別だ
必見としか言いようがない
おまけで鮫のオッサンも出る
コイツの下種さ加減も一々見ものではある、個人的に嫌いじゃない
因みに凱旋後の晩餐会には鎖騎士3人組も坊主供に混ざって参加しており、最後には主人公の家主も馬車で擦れ違う
ところで、よく言われる通り、コルカスの主人公に対する視点の描写は素晴らしい
彼にとってグリフィスは不可侵不可触だが、ガッツはそういう訳でもない
確かに段違いに強いが、白い鷹の色んな意味での別格さ具合に比べれば、寧ろガッツはコルカスと同じ側の世界にいると言ってもいい
にも拘らずグリフィスとは違う何かで皆を惹き付け轡を並べ、しかもコルカス自身のやりたい事を悉くやってしまう
女千人長と表裏をなしてガッツに惹かれる人物の代表格だろう
何より彼はグリフィスとガッツを最初に比較した人物であり、ガッツの強さを団で一番初めに思い知らされた人物だ
因みに原作では、ガッツは他者との接触の拒絶の意を時と共に軟化させ、グリフィスは他者の方がどこか畏れ遠慮し孤峰の色を強めていくという具合に鮮明な対比が見て取れるのだが、映画では省かれた…
それから、百人斬りやドルドレイ攻略戦に於けるアクションが矢張り素晴らしい
特に、城壁から敵を引っぺがして引きつけた後の第二波突撃で、白い鷹の切れ味の描写が秀逸だ
ただ、剣線と同一方向に逃げる物体は其の程度の斬撃で切れるのか?等と思うようなシーン等も幾つかあったが…